前の2作の監督は”相棒”の橋本 一。
良くも悪くも、そのロマンティシズムは私には鼻につく。
今回変わっての演出は”あまちゃん”のNHKディレクター吉田照幸。
プロローグ、北海道の大雪原を走る車に
”はちみつぱいの大道芸人”が掛かっただけで嬉しい。
トラックを運転していた男が殺され同乗していた女は行方不明
その女の恋人は主人公の探偵の相棒の大学の後輩
彼女を探してくれとの依頼。
此の当たり前の仕事が後に大変な事となる。
札幌中心の探偵役の大泉洋に、未だ酪農を学ぶ大学院生だが
格闘技の得意な松田龍平のコンビ。
此れに今回は”ファムファタールー運命の女”に北川景子
そして彼女を愛人にする悪徳実業家にリリー・フランキー。
此のキャスティングが先ず上手い。
”あまちゃん”もそうだったが役者が役にハマっていると
全て現場が自然に動き出す。
北川景子って、こんなに芝居が上手かった?と
コロコロ変わる彼女の表情に探偵・大泉洋ならずとも騙される。
そして大泉洋も脚本が上手いのか、前2作以上に
シリアスな演技を見事にこなして彼が今
映画TVと業界トップの地位に居るのが肯ける。
それでも”金曜どうでしょう”まんまの軽さが魅力だ。
コンビの”松田龍平”も「御法度」から何も変わらぬ”大根”だが
あの岸部一徳と同じで、それが芸風になりつつある。
意外に早く”化ける”かもしれない。
特に格闘技を活かした敵の用心棒との対決が面白かった。
他には”孤独のグルメ”の松重豊のヤクザ役はテッパンだし
探偵に絡む喫茶店のお色気ウエイトレスの安藤玉恵は笑わせるし
ゲイBARのママ篠井英介は怖いし
シリーズの楽しさを繋いだ監督 吉田照幸の才能が素晴らしい。
此の後、「鎌倉殿の13人」でも大泉洋を使っている。
そして最後に又”ムーン・ライダースの大寒町”のエンディングに
喝采を送った。
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