2023年8月3日木曜日

落下の王国:ターセム・シン作品

冒頭にデヴィッド・フィンチャーとスパイク・リーのお墨付が出てくる。

構想26年、ロケーションは世界遺産13の建物、24か国でロケーション

製作に4年をかけたというが、

未だ劇映画2作目の新人監督に誰が金を出したんだろう?

それでもCMやプロモーションヴィデオの世界では

売れっ子の監督として名を馳せていた彼の

R.E.Mやスザンヌ・ヴェガの映像は私の記憶にまだ残っている。

その記憶の延長、モノクロの美しいスローモーションの

謎めいたカット編集で此の映画は始まる。

怪我をしたハリウッドのスタントマンが、

ルーマニアのオレンジ畑の木から落ちた少女と

病院で出会い、彼女にせがまれるまま、おとぎ話を聞かせる展開。

そして何時しか、そのお伽話が現実のものとなり2人は世界中を旅する事になる。

それはまさに奇想天外、インド人やらアフリカ人やらを

お供に世界中を跳び回るのだ。

主人公や此のお供達の衣装担当したのは

日本が誇るアートディレクター故・石岡瑛子。

登場人物それぞれをユニークな衣装でキャラクター付け。

世界の異端建築を前に、そのトータル・バランスは圧巻。

兎に角、映像を観ているだけで私はタメ息の連続。

ターセムはR.E.MPVでも宗教をテーマにしていたが

此の作品ではトルコのメヴィレヴィー教団の旋回舞踏を始め

バリ島のケチャなど様々な儀式を取り込んで

少女の憧れる冒険活劇に花を添えている。

それは、まさにターセムと石岡瑛子の美の世界

此の後「インモータルズー神々の戦い」「白雪姫と鏡の女王」と

2人のコンビは続くが石岡瑛子が亡くなって、それは終わった。




 

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