2023年7月31日月曜日

探偵マーロウ(2020):ニール・ジョーダン監督作品

レイモンド・チャンドラー原作のフィリップ・マーロウを

新たにオリジナル・シナリオで蘇らせた「黒い瞳のブロンド」の映画化

主演のリーアム・ニーソンとはコンビの多い英国の鬼才ニール・ジョーダンが演出。

此の組み合わせには、暑い中でも映画館に足を運ばざるをえない魅力を感じて。

果たしてその出来は?

うーん、アクションスターのリーアム・ニーソンに寄せ過ぎかな?

先のマーロウ役は、此れまでの俳優に比べ、大男のリーアムは押し出しが良過ぎ、

女にモテる甘さが無い。

したがってファムファタール=運命の女を相手の色恋沙汰の気分はゼロ。

ひたすら人探しの探偵家業まっしぐらでアクション映画としては

良く出来てるがチャンドラー・ファンにはマーロウの人間性が物足りない。

それに相手の女たちもジェシカ・ラングと言えど、かつてのセクシー女優の面影は無く、

その娘役ダイアン・クルーガーも色気には程遠い。

まあ、主役のマーロウのリーアムも歳が歳だしバランスは良いのだが。

それでも1940年代のLAをスペインのバルセロナに再現させたロケセットは見事だし

音楽もキューバ音楽クバナカンビリー・ホリデー

当時の音楽に流線型の車とレトロな衣装は申し分はないのだが・・・。

ニール・ジョーダンは「モナリザ」「クライング・ゲーム」と

危ない世界を描いたらピカイチの監督だが此の作品では、

その毒が薄まり、サスペンスをテンポ良く追うベテラン演出家に留まっている。

やはりマーロウはアルトマン監督エリオット・グールド主演「ロンググッドバイ」

ディック・リチャーズ監督ロバート・ミッチャム主演「さらば愛しき女よ」

名前はマーロウではないジェイクけれどポランスキー監督

ジャック・ニコルソン主演の「チャイナタウン」かな?

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