探偵マーロウ(2020):ニール・ジョーダン監督作品
レイモンド・チャンドラー原作のフィリップ・マーロウを
新たにオリジナル・シナリオで蘇らせた「黒い瞳のブロンド」の映画化
主演のリーアム・ニーソンとはコンビの多い英国の鬼才ニール・ジョーダンが演出。
此の組み合わせには、暑い中でも映画館に足を運ばざるをえない魅力を感じて。
果たしてその出来は?
うーん、アクションスターのリーアム・ニーソンに寄せ過ぎかな?
先のマーロウ役は、此れまでの俳優に比べ、大男のリーアムは押し出しが良過ぎ、
女にモテる甘さが無い。
したがってファムファタール=運命の女を相手の色恋沙汰の気分はゼロ。
ひたすら人探しの探偵家業まっしぐらでアクション映画としては
良く出来てるがチャンドラー・ファンにはマーロウの人間性が物足りない。
それに相手の女たちもジェシカ・ラングと言えど、かつてのセクシー女優の面影は無く、
その娘役ダイアン・クルーガーも色気には程遠い。
まあ、主役のマーロウのリーアムも歳が歳だしバランスは良いのだが。
それでも1940年代のLAをスペインのバルセロナに再現させたロケセットは見事だし
音楽もキューバ音楽”クバナカン”に”ビリー・ホリデー”と
当時の音楽に流線型の車とレトロな衣装は申し分はないのだが・・・。
ニール・ジョーダンは「モナリザ」「クライング・ゲーム」と
”危ない世界”を描いたらピカイチの監督だが此の作品では、
その毒が薄まり、サスペンスをテンポ良く追うベテラン演出家に留まっている。
やはり”マーロウ”はアルトマン監督エリオット・グールド主演「ロンググッドバイ」
ディック・リチャーズ監督ロバート・ミッチャム主演「さらば愛しき女よ」
名前はマーロウではないジェイクけれどポランスキー監督
ジャック・ニコルソン主演の「チャイナタウン」かな?
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