先に「日曜日が待ちどうしい」で中年の不動産屋の社長役の彼が
アラン・ドロンやジャン=ポール・ベルモンドならいざ知らず
そんなにハンサムでもスタイルが良い訳でも無いのに
何故ファニー・アルダンの様な美貌の女性にモテるのか?と
私は疑問を呈したが、それ以前にルルーシュの「男と女」で
アヌーク・エイメと、やもめ同士の大人の恋を演じているし
その前に「素直な悪女」のブリジット・バルドーと浮名を流し
イタリアまで出かけてエレオノラ・ロッシ=ドラゴと「激しい季節」
ベルトルッチの「暗殺の森」ではステファニア・サンドレッリに
ドミニク・サンダの美女二人を相手にしている。
そしてルネ・クレマン監督のハードボイルド・ミステリー
「狼は天使の匂い」ではレア・マッサリに追いかけ回され
「離愁」ではロミー・シュナイダー相手である。
「フリックトーリー」ではボンドガールのクローディヌ・オージェ
「女上位時代」では当時ピチピチのアイドル、カトリーヌ・スパークと
何だこいつはと私の嫉妬を交えて書き連ねているが・・・
なんとマカロニ・ウエスタンの「殺しが静かにやってくる」にまで!
イタリア語の台詞を覚えるのが面倒だったか?喉を切られて声が出無いガンマン役
もっとも、日本の丹波哲郎も「5人の軍隊」でイタリアに呼ばれ、同じ様に
声が出ないと思わせて最後に一言喋って周りを驚かせるという役
しかし彼は、軍用列車から落ちたのにもかかわらず
走って走って山を越え追い付くというアスリート選手みたいな芸を披露した。
まあ丹羽街道の周り道は此れくらいにしてトランティニアンに戻るが
ギリシャの監督コスタ・ガブラスの政治映画「Z」にも参加してるし
フレンチ・コミックのカリスマ、エンキ・ヴィラル監督の
カルトSF映画「バンカーパレスホテル」「ティコムーン」と2作
そしてポーランドのクシュトフ・キェシロフスキー監督の
「トリコロール・赤の愛」にも、
「アメリ」のジャン=ピエール・ジュネ監督の初期作品「ロストチルドレン」
兎に角ヨーロッパ映画界全ての監督からオファーが来たのは
彼にしか無いその”何か?”を持っているからなんだろうね。
古くからの付き合いクロード・ルルーシュ監督の
その後の”男と女”の物語をアヌーク・エイメのコンビで3部作の最終章
「男と女 人生最良の日々」を遺作に91歳で亡くなっている。
いやはや、此の映画で彼は認知症という設定に、台詞こそ少なかったが
相手役アヌーク・エイメと、ちゃんと演技をしていたのには驚いた。
まあ見事な役者人生と言うしかない。
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