「ミス・マープル」(牧師館の殺人)
もう何度も再放送されているアガサ・クリスティのシリーズだが
BS11 (ただ)で原語字幕付きで放映されているのを見付けた。
土曜と日曜の午前中で前後編だから録画して纏めて日曜の夜観る。
それで此の”牧師館の殺人”
観てない人の為に犯人を教えられないが
ミス・マープルを演じるジェラルディン・マクイーワン。
最初のショーン・ヒクソンは知的で鋭さはあるが
陰気で謎解きだけに終始し人間性が感じられなかった。
二代目のジュリア・マッケンジーは人懐こいが
あまり閃きを感じなく普通のおばさん過ぎた。
それで此の三代目ジェラルディン・マクイーワンだが
先に放映されていた岸田今日子、草笛光子の吹き替えの印象もあり
容貌も明るく優しくユーモアも感じられ、
事件の推理を楽しむ可愛いおばさんキャラが良い。
此の回、冒頭に出てくる彼女の若い頃、
出征する彼氏と写真館で記念写真を撮る場面と、
ラストの、その彼と駅での別れは恐らくアガサ・クリスティの原作には無いだろう。
ドラマの中で犯人に”貴女にワタシの気持ちが分かる?”と
言われ"分かるはワタシもそうだったから”と答えるマープルの瞳に
涙が溢れるのは脚本家がドラマのテーマに肉付けしたエピソードと思われる。
戦争で引き裂かれた男女の愛は、それがたとえ不倫であっても哀しい。
いや不倫であるからこそよけい余計に辛い。
原作のアガサ・クリスティは確か夫に裏切られた筈だ。
此の新しいミス・マープルの解釈で此のシリーズに
現代のウクライナやロシアの悲劇に繋がる普遍性が見えて来る。
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