2023年2月26日日曜日

「ミス・マープル」(牧師館の殺人)

もう何度も再放送されているアガサ・クリスティのシリーズだが

BS11 (ただ)で原語字幕付きで放映されているのを見付けた。

土曜と日曜の午前中で前後編だから録画して纏めて日曜の夜観る。

それで此の牧師館の殺人

観てない人の為に犯人を教えられないが

ミス・マープルを演じるジェラルディン・マクイーワン。

最初のショーン・ヒクソンは知的で鋭さはあるが

陰気で謎解きだけに終始し人間性が感じられなかった。

二代目のジュリア・マッケンジーは人懐こいが

あまり閃きを感じなく普通のおばさん過ぎた。

それで此の三代目ジェラルディン・マクイーワンだが

先に放映されていた岸田今日子、草笛光子の吹き替えの印象もあり

容貌も明るく優しくユーモアも感じられ、

事件の推理を楽しむ可愛いおばさんキャラが良い。

此の回、冒頭に出てくる彼女の若い頃、

出征する彼氏と写真館で記念写真を撮る場面と、

ラストの、その彼と駅での別れは恐らくアガサ・クリスティの原作には無いだろう。

ドラマの中で犯人に貴女にワタシの気持ちが分かる?

言われ"分かるはワタシもそうだったからと答えるマープルの瞳に

涙が溢れるのは脚本家がドラマのテーマに肉付けしたエピソードと思われる。

戦争で引き裂かれた男女の愛は、それがたとえ不倫であっても哀しい。

いや不倫であるからこそよけい余計に辛い。

原作のアガサ・クリスティは確か夫に裏切られた筈だ。

此の新しいミス・マープルの解釈で此のシリーズに

現代のウクライナやロシアの悲劇に繋がる普遍性が見えて来る。

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