英国俳優列伝 #9
ダーク・ボガード(1921~1999)
本名はデレク・ファン・デン・ボガール
父親はドイツ人でタイムズの編集者、母親はイギリス人の女優
もう此れだけで彼がシャーロット・ランプリングと「愛の嵐」で
演じたナチスの将校役が本物に見えた訳が分かる。
ヴィスコンティの「地獄に落ちた勇者ども」でもナチス将校を演じた。
そのヴィスコンティは彼を気に入り
「ベニスに死す」ではマーラーの交響曲3番をBGMに
ポーランドの美少年に狂死にするドイツ人老作曲家を演じさせた。
ハリウッドの赤狩りで英国に亡命した監督ジョセフ・ロージーとも
「召使」「銃殺」「できごと」とシリアスな問題作に
イタリア女優モニカ・ヴェッティと漫画映画化「唇からナイフ」と
コンビを続け、とにかく彼は此の英国俳優列伝とは別格で
その心此処にあらずと虚な眼差しを武器に”危ない人格=怪優”の
ジャンルに入るかも知れない。
ジェーン・バーキンと共演した「ダディ・ノスタルジー」が遺作。
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