2022年12月12日月曜日

黒澤明の映画音楽#15
影武者(1980):池辺晋一郎
クロサワは「デルスウザーラ」以来5年ぶりの作品
ハリウッドのコッポラ、ルーカスの資金援助もあり
脚本も井出雅人と組んだオリジナル歴史絵巻。
勝新太郎を”当て書き”して書いた主人公で
順調にスタートしたが、当時監督を兼業していた
カツシンと衝突、なんと主役が降板、代わりに仲代達矢が。

此れは私感だが、俳優には演じてきた背景の様なものがあり
仲代には勝新の様な人懐こいキャラクターは無く
子供に”影武者”と見破られる重要なポイントを外して居た。
仲代に勝新の芝居をさせているクロサワ演出が辛かった。
勝新だったら日本映画に残る名画となった筈。

降板したのは勝新だけで無く、
大映時代の盟友カメラマン宮川一夫も体調不良を理由に
音楽の佐藤 勝もクロサワのレコ選に愛想をつかし降板
結局「どですかでん」の武満徹にも断られ
武満推薦の池辺晋一郎が担当した。
お聴きの様にグリークのペールギュントに似た曲調だが
クロサワの狙い通り、それなりに収まっている。

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