歴代アカデミー賞作曲賞1960年代 その7
「ドクトル・ジバゴ」(1966):モーリス・ジャール
1963年の「アラビアのロレンス」に続きモーリスは2度目の受賞。
前回は打楽器が目立つ構成だったが此の作品の舞台がロシアだから
アコーディオンやバラライカで叙情的なメロディーで
特に”ララのテーマ”は"Somewhere My Love"と歌詞がついて
スタンダード曲にもなったくらい美しい。
先の”アラビア・・・”以来、大作というと音楽に彼が呼ばれ
なんでもかんでもモーリスジャールの時代となった。
しばらくは”アラビア風”な大袈裟な打楽器のオンパレードだったが
それに句読点を付けたのが1976年アカデミー外国語映画賞の
フォルカー・シュレンドルフ監督「ブリキの太鼓」
此の作品で彼は東欧の曇り空や主人公の少年オスカルの心の闇を
見事に音楽で表現しナチス政権へとドイツが進む過程を描いた。
兎角、彼は”アラビアのロレンス”の様な大作向きな作曲家と
思われがちだが「コレクター」や「日曜日に鼠を殺せ」の様な
繊細な心理描写が得意な作曲家なのだと私は思う。
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