「明日なき追撃」(1975) :監督カークダグラス
長命でアカデミー協会から名誉賞まで貰った彼の
キャリアの中で唯一の監督作品である。
勿論、主演もして居るが微妙なバランスで敵役の
ブルース・ダーンに比重が置かれて居る。
話は連邦保安から上院議員の座を狙って居るカーク・ダグラスが
列車強盗のブルース・ダーンを捕らえて、その人気で
あわよくば大統領までと、その列車強盗が逃げた町で
自分の写真まで撮らせて剪断していたが
列車強盗のブルース・ダーンは頭が良くて
彼を出し抜いて、逆にカーク・ダグラスを人質にしてしまう。
此の展開は普通の西部劇にな無いパターン。
だからタフな正義の味方を演じて来たカーク・ダグラスの
此の描き方に観るものは戸惑ってしまう。
俳優には背負って来た役柄と言うものが有るのだ。
セルジオ・レオーネの「ウエスタン」で
ヘンリー・フォンダの極悪人は無理だった。
*ネタバレになるが*
自分について来たはずの保安官助手たちが
強盗のブルース・ダーンに付いて行ってしまう結末は
何〜だこりゃ?と笑うしかない。
カーク・ダグラスといえばハリウッドの”赤狩り”で
干されていた脚本家ダルトン・トランボや
スタンリー・キャブリックを監督に抜擢した名優だが
監督として、此の主役のキャスティング・ミスには
どうしようも無かったと思われる。
それでも異色西部劇としてベルリン国際映画祭で金熊賞
・・・は取れなくてノミネートのみ。
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