黒澤明の映画音楽#17(最終回)
夢(1990) : 池辺晋一郎
クロサワが自分が見た夢を8本のオムニバスにして
映像化した物である。
日照り雨(狐の嫁入り)桃畑(お雛様)雪あらし(雪女)
トンネル(小隊の亡霊)鴉(ゴッホの麦畑)赤富士(原子炉爆発)
鬼哭(放射能汚染による奇形人)水車のある村(葬式)
元々、画家を目指していた彼は絵は上手、時間をかけて描いた
コンテ通りの映像は映画としての完成度は兎も角
池辺晋一郎の音楽も含め、見事な映像詩となっている。
此の時、クロサワおん年80歳!
フィナーレの”水車のある村”は、斯くありたいと願う
自らの死を意識したものであろう。
牛肉(ステーキ)をこよなく愛し、クロサワ天皇と呼ばれ
一国(日本映画界)の王として君臨した天才の晩年は
「乱」の”一文字秀虎”の様に、さぞかし孤独であったろうと思われる。
クロサワ作品としては此の後「八月の狂詩曲」「まあだだよ」と
2本メガホンを取り88歳で亡くなった。
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