黒澤明の映画音楽#4
七人の侍 (1954):早坂文雄
此の作品は1954年のヴェネツィア映画祭銀獅子賞に輝き
それ以降もBBCの選んだ外国映画BEST-100に堂々1位
外国枠を外したハリウッド映画を含めても7位にランキングされる。
「羅生門」に続き”世界のクロサワ”を決定付けた作品でもある。
若きクロサワが本物の時代劇を作ろう!
ジョン・フォード西部劇に負けない時代劇をと
脚本家・橋本忍と小国英雄を誘い、昔の侍や百姓の暮らしを
徹底的に調べ上げ、脚本を練り上げて完成させ
撮影も予定より遥かに伸びて1年がかり、予算は7倍に膨れ上がった。
それまでに無いマルチ方式というカメラを数台使用
俳優の息遣いまで写しとる超望遠レンズの多用は画期的なものだった。
此の作品に、作曲家として呼ばれた早坂文雄は
その時、既に体を結核に蝕まれていたが
スコアのデッサンを1年かけて書き、ピアノで1曲1曲弾いては
クロサワのダメ出しを受けながら4つのテーマに絞った。
タイトルバックに使われた”侍のテーマ”
”野武士のテーマ””志乃のテーマ””菊千代のテーマ”
ダイナミックな行進曲に叙情的なメロディーを絡ませ
早坂の得意な邦楽や御神楽まで盛り込んだオーケストレーション。
それらはサウンドトラックとしてコロンビアから発売された。
とにかく音楽だけでも、そのスケール感が味われる。
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