監督リチャード・ブルックスが「プロフェッショナルズ」で
ジャック・パランスに言わせた革命論が面白かったので
ジョン・ヒューストンの作品だが、リチャード・ブルックスが
脚本を書いた「キー・ラーゴ」(1948)のDVDを
昨夜はボギー・コレクションから引っ張り出して。
多分観たのは約40年以上も前だから
後期高齢者の記憶では殆ど初見に等しい(笑)
それで驚いたのは此の俳優エドワード・G・ロビンソンの巧さ
悪役として此の”悪役列伝”に取り上げて居なかったのは不思議。
映画の中で監督ジョン・ヒューストンは主役のボギー事
ハンフリー・ボガードよりマフィアのボス役
ロビンソンにファーカスを合わせ
彼の暴力に翻弄される人間の弱さを見事に描いている。
その台詞は当に30年後コッポラの「地獄の黙示録」で
マーロン・ブランドのカーツ大佐が呟いた狂気と同じ。
脚本を書いたリチャード・ブルックス、やはりただ者ではない。
おっと、此れは俳優エドワード・G・ロビンソンの話だ。
彼もリチャード・ブルックスと同じユダヤ人、ルーマニア系だが
子供の頃、両親とともにアメリカへ移住している。
下積みは長かった様だが、その個性的な風貌は悪役向きで
「犯罪王リコ」等ギャング映画のボスとして欠かせない存在に。
ハリウッドの”赤狩り”に共産主義者のレッテルを貼られ
干されていた時期もあった様だ。
スティーブ・マックイーンのギャンブラー映画「シンシナティ・キッド」の
敵役も良かったが。
此の作品「キー・ラーゴ」には、その人間としての”弱さ”と
”怖さ”を観る者は感じられる。
それは彼の人を見る鋭い洞察力から来ているものと思われる。
兎に角、彼の演技は高く評価されながら生涯一度も
オスカーを手にする事は無かったが彼の死の二ヶ月後に
第45回アカデミー賞で、協会は彼に名誉賞を贈った。
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