「ボーダーライン」(2015):監督ドゥニ・ヴィルヌーブ
此の作品は以前観て、変わったその監督の名前が気になっていた。
変わっているのは名前だけではなくて、映像も不思議なタッチで
再び観て、あっそうだ此の監督はリメイクした
「ブレイドランナー」も「砂の惑星」も大勢の監督候補から
選ばれたハリウッド期待の大型監督だった事に気づいた。
名前が変わっているのはカナダ出身、多分フランス系だろう。
その外国人から見た、米国の異質な風土は英国から来た
当初のリドリー・スコットの感覚に近いのかも知れない。
とにかくメキシコとの国境の風景が”砂の惑星”の様に
乾いた別世界として撮られている。
主人公は女性の麻薬捜査官。彼女が麻薬カルテルの大物を
捉えるために更に大規模な追跡組織に誘われる。
彼女がそこで見たものは誰が敵か味方か分からないほど
買収された警察官だらけの国境沿いの町。
この町の俯瞰画像は殆ど「ブレードランナー2049」
その警官の中にコロンビア人のベネチオ・デルトロが居る。
彼の存在感が此の映画の全て!
彼は麻薬カルテルの大物に妻を殺され
娘は酸のプールに投げ込まれた男。
原題の”SiCARIO”とはラテン語で短剣の男”暗殺者”の意
その復讐に此の捜査に紛れ込み、大物の家を突き止め
単独で殴り込みをかける。
映画「チェ」でゲバラ役も演じた俳優ベネチオ・デルトロに
狂気と哀愁があり、その結末にカタルシスを感じた。
うーん此の監督、先が楽しみだが此れ以前の作品も観たい!
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