燃える平原児(1960):ドン・シーゲル監督
此の監督は、あのクリント・イーストウッドをして
師匠と言わしめ、サム・ペキンパー等も助監督として育てた名監督。
主演のエルヴィス・プレスリーは兵役後の「G.I.ブルース」の次作にして
唄って踊る歌謡映画でないシリアスな役は此れが最初で最後。
何しろ演技派マーロン・ブランドの代役だったという話もある。
それでも米国人にしてはWSP系ではない黒髪に、肌を少し黒く塗った風貌は、
白人の父親と先住民の母との間に生まれたハーフの若者役にピッタリ!
兵役で鍛えられたか?引き締まった身体が輝いて眩しい。
映画の冒頭、腹違いの兄の誕生日に歌を披露するだけで、
後はひたすら、仲の良い家族が白人と先住民との諍いに巻き込まれ
自分に流れる血に、どちらに味方すれば?と苦悶する若者に
彼が成り切っているのは、監督ドン・シーゲルの演出力か?
同じプロットではオードリー・ヘプバーンが、
やはり白人と先住民とのハーフを演じた「許されざる者」が有る。
そちらは巨匠ジョン・ヒューストン監督だから、甲乙付け難いが。
とにかく此のラストの彼が満身創痍にながら”死の星が見えた”と
先住民の仕来り通り、丘の向こうに消えて行くところは
何度観ても相変わらず泣けてしまう名場面。
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