2022年7月24日日曜日

 


「草原の野獣」(1958):フィル・カールソン監督

うにも想像のつかない邦題だが一応西部劇である。

監督もディーン・マーチンで007もどきの

サイレンサーシリーズなんかやっている人である。

それでも西部劇は好きなので観てみた。

物語は、そろそろ西部開拓も終わりの頃で

原題の”ガンマンの道”も時代遅れ町中で拳銃所持は御法度。

それでも銃で全てが解決すると教育する

昔気質の牧場主の父親とその息子二人のカウボーイの話。

兄は、その父親から勝気な所を受け継ぎ負けず嫌い。

弟は、そんな兄を反面教師として優しい性格になる。

此の父と兄弟の確執がドラマを盛り上げる。

此の父親と息子二人の構図は聖書のカインとアベル

エリア・カザン監督の名作「エデンの東」を連想させる。

父親役のヴァン・ヘフリンは、あの「シェーン」にも出演していて

早いうちにオスカー助演男優賞を取った演技派。

次々に人を殺し野獣と化した兄を、それでも庇う親心がいじらしい。

此れに先住民インディアンとの混血の兄妹が絡み

カウボーイの兄は、その混血の兄と馬追いを競い殺してしまい

弟は、その妹に恋をしてしまうという展開。

まあ大スターの出て居ないB級西部劇という割には

脚本が、しっかりして居てクライマックスまで

ぐいぐい盛り上げる。

此の当時から米国の拳銃所持はトラブルの元だったんだな。


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