2022年6月28日火曜日

追悼 名和宏(1932~2018)

実家は能の金春流、だから20歳まで能楽を学んでいた。

デビュー当時は日活で石原裕次郎と張り合う位の二枚目。

その後フリーとなり東映の任侠映画の悪役として

鶴田浩二、高倉健に殺されまくり「仁義なき戦い」では

逆に菅原文太や松方弘樹を殺す血も涙も無い現代やくざの親分を憎々しく演じた。

それでも、私の記憶に間違いが無ければ、

たった1度だけ「博打打ち・総長賭博」で

真っ当なヤクザを好演したのを覚えている。

あの三島由紀夫が絶賛した此の映画は

未だに、そのギリシャ悲劇的な完成度を

高く評価する人も多い。

そんな作品の中で輝いた彼は、若山富三郎と容姿が似ており、

主役も出来る演技力を兼ね備えた俳優だった。

妙な男の色気があり、だいぶ前に亡くなった

山形勲の様な役も出来たはずなのに惜しい。



 

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