「シャーロックホームズの冒険」36話・三破風館
相変わらず此のシリーズは凄い。
先週の結婚詐欺が相手を殺したり監禁したりする話も陰惨だったが
今回はホームズの相手は宿敵モリアーティよりも手強いと
相棒ワトソンに言わせたスペインの美貌の女。
此れを「007サンダーボール作戦」のクローディヌ・オージェが!
此の女、愛欲と出世欲から次々と
男を誑(たぶら)かしては捨てるどころか殺してしまう。
その女に殺された若者が死ぬ前に書き残した自伝小説を
女が取り返そうと躍起になるのを、
シャーロックがそうは、させじと対決する。
相手は証拠を残さずジワジワとシャーロックを脅迫し、
相棒ワトソンは殴られて重症を負う。
さてシャーロックに打つ手はあるのか?
此の回で興味深いのはストーリーもさることながら、その映像。
全編、鏡やガラスの”映り”を使ったWエクスポージャの画面。
それが此の悍(おぞま)しい話を更に謎めかして見せる。
シャーロックとスペイン女の対決シーンなど
ステンドグラスや壁紙がご覧の様に当にクリムトの絵画。
ワトソンが襲われる前の部屋の影はドイツ表現主義のムルナウの吸血鬼だ。
シャーロックの顔のライティングもドラキュラのそれ!
相当実力のある撮影スタッフ達がコリに凝って遊んでいる。
スペイン女が餌食にする新しい若い貴族男と開く夜の野外パーティは
花火が打ち上がりベニスの仮面カーニバル。
その贅沢なスペクタクルには目を奪われる。
レストアされた旧作がこんなに美しい画面だったなんて
又全部録画し直しかい?
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