2022年4月17日日曜日

「ホット・ロック」(1972) : ピーター・イェーツ監督
英国の監督である彼の演出した「大列車強盗団」が
スティーブ・マックイーンの目に留まり「ブリット」(1968)が
ハリウッド・デビューとなってから5番目の作品である。
その間にダスティ・ホフマンとミア・ファーローの
「ジョンとメアリー」もあるが遣り手のプロデューサーや
俳優なら誰もが使いたい監督だったろう。
此の頃スターになっていたロバート・レッドフォードも
おそらく、その一人。話は泥棒映画である。
出所したばかりというのに、義理の弟ジョージ・シーガル
つまり彼の妹の亭主が金庫破りで ”サハラの石”と呼ばれる
巨大なダイアモンドを美術館から盗もうという話を持ちかける。
クライアントはアフリカ某国の大使。
これがケチで、資金を出し渋り、
交渉役の義弟との駆け引きが面白い。
そう全編、コメディタッチの演出にレッドフォードの
ポーカーフェースが生かされている。
泥棒仲間に爆弾の専門家が居て、やたら爆発が多いが
死人が出ないのが安心して観てられる。
それでも、プロの泥棒集団というのに失敗ばかりして
メンバーの一人がダイヤを飲み込んだまま警察に捕まってしまうから
観客はハラハラさせられる。
ポーカーフェースといえば後半に出てくる
捕まったメンバーの父親役にトニー賞を何度も取っている
「ローマで起こった奇妙な出来事」のゼロ・モステル。
此れの狸ぶりが絶妙で画面をさらう。
結局、万事休すとなったレッドフォードは奇策に出て
”アフガニスタン・バナナスタンド”で一発逆転。
それが何かは観てのお楽しみ。
此の監督の作風はSFアクション物、青春物に
舞台劇の映画化とバラエティに富んでいて
その才能に驚かされるが音楽のクインシー・ジョーンズと
上に載せた映画のタイトルに、その斬新性が窺える。


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