2022年1月24日月曜日

「グリーンブック」(2018):監督ピーター・ファレリ
題名の”グリーンブック”は黒人用の旅行ガイドブックの意
話はN.Y.は一流ナイトクラブ・コパカバーナの用心棒が
ホワイトハウスでも演奏した有名黒人ピアニストの旅公演に
運転手兼ボディガードとして雇われる。
その運転手役にヴィゴ・モーテンセン
彼は「ロードオブザリング」のアラゴン役で有名だが
此のイタリア系で無教養な運転手役という設定に
ロバート・デ・ニーロばりに体重を増やし
太鼓腹に二重顎という変身で、最初誰だか分からない程。
そしてカーネギーホールの上に住む富裕層のピアニスト役には
「ムーンライト」で、たった45分の出演場面ながら2016年の
アカミー助演男優賞に輝いたマハーシャラ・アリ
此の作品で再びアカミー助演男優賞を得ている。
特にピアノ演奏シーンはフルショットもあり
彼は相当な練習をしたと思われる。
とにかく粗野なイタリア系白人運転手と
知識階級黒人ピアニストのロードムーヴィーは冒頭から
いつ喧嘩別れしても可笑しくない緊張を孕んでいるのがミソ。
それを芸達者二人でグイグイ見せて行く。
此の手の人種差別映画は古くは「アラバマ物語」
「夜の大捜査線」「ドライビング・ミス・ディジー」と
何れも南部を舞台にしているが、此れも
どんどんディープ・サウスの人種差別最悪の地へ向かって
サスペンスは盛り上がる。
その間にギクシャクしていた二人の関係は埋まり
肌の色を越えた友情が芽生えるという
ハート・ウォーム・ストーリー。
実際にあった本当の話というが
現実は、そんなに甘くなかったろう。
まあ、ラストに”クリスマス・イブ”を持ってこられちゃ
何となく許しちゃう映画。

ところで名ピアニストを演じたマハーシャラ・アリだが

ケヴィン・スペイシーのTVシリーズ「ハウスオブカード」でも

重要な役をやっており

今後アフリカ系俳優としては

モーガン・フリーマン以上の活躍が見込まれる

少し目が離せない俳優だ。




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