2021年12月19日日曜日

「シマロン」(1960) : アンソニー・マン

題名に記憶はあったが見逃していた。

此の2年後に作られた「西部開拓史」はシネラマ上映で大ヒットしたが

此の作品はそれ以上のスケールで描かれた西部開拓一大叙事詩。

まだC.G.のない時代、大平原を埋め尽くす

70mm映画「キングオブキングス」並のエキストラ

その膨大な数にMGMは、よく資金を調達したものだ。

そのエキストラはランド・ランと呼ばれる土地争奪競争

一線に並んでスタートし速く希望の土地に着いて

そこに旗を立てたら、その者の土地となる競争。

一番乗りを目指して幌馬車は「ベン・ハー」の戦車競走みたいに

暴走し、ひっくり返り、後から来た馬車に轢かれ死ぬ。

スタントマンも何人か死んでいるだろう。

監督アンソニーマンは「エルシド」も撮っている。

此れに参加したのが新婚ホヤホヤの主人公男女。

此の男女をグレン・フォードとマリア・シェルが演じる。

男は弁護士あがりで、正義感が強く

どんな敵にも向かってゆく無鉄砲。

一方、お嬢さんの都会育ちの女は初めての西部に戸惑うばかり。

そのランド・ランに敗れた男は

世話になった親代わりの老人の後を継いで新聞社を始める。

それでも先住民のインディアンを庇い人種問題に取り組むなど

妻の心配をよそに正義を貫いて会社は大きくならない。

(此の1960年にはジョン・ヒューストンが「許されざる者」で

先住民と白人との混血をオードリー・ヘプバーンに演じさせている)

そして、主人公は土地を持つ夢は捨てきれずランド・ランが有ると

出かけては戻らなし、その後もキューバ義勇軍に参加する夢見る男に描かれる。

その間に、その地オクラホマに石油が出て、町は大きくなり

残された妻は新聞社を大きくして行く。

此の巨大なオープンセットが徐々に都会化して行くのも凄い。

そして、やっと戻った夫はキューバ義勇軍の英雄として

知事に推薦されかけても正義感から断り、妻を落胆させる。

アメリカ西部開拓史だけで無く男女の心のすれ違いを描けたのは

オーストリア出身でフランス映画で活躍した女優マリア・シェルに

負うところが多いだろう。

それに比べ、グレン・フォードは正義感の強さは有っても

ボヘミアンとしての無鉄砲さや狂気が似合わない。

此の役はマーロン・ブランドやったら又面白かったろう。

(此の三人「スーパーマン-1」に出ていたが・・・)

他にも「ウエストサイド物語」のラス・タンブリンや

「コンバット」のビッグ・モローが存在感を示し

そして妖花アン・バクスターが主人公に絡んで魅力ある演技を見せる。

此の頃のハリウッドの役者の層の厚さは凄い!

とにかくおせち料理みたいな見応えある147分の超大作。

年末年始にミカンでも食べながら、お勧め。

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