)
「80日間世界一周」(1956):マイケル・アンダーソン監督
ヴィクター・ヤングの音楽で有名な此の映画
だいぶ前の公開なので、観ていた様な、ない様な。
昨夜、録画したものを観てみた。
製作者マイケル・トッドが開発したという”トッド方式”は
今で言うなら3D映画。横長画面に超広角レンズで撮られた
立体的な画面は今でも目を見張るものがあるから
半世紀前の観客は、さぞかしビックリしたに違いない。
しかしに今観れば作品としてはイマイチ。
それは監督マイケル・アンダーソンが、まだ若く2作目で
折角の豪華なキャスティングを生かす演出力が無い。
此の映画、作品賞を始めオスカーを5部門で取っているが、
そこに此の監督の名は無い。
まずは、その魅力的なキャスティングから
主役は如何にも英国紳士まんまのデヴィッド・ニーブン。
ヒロインのインドのお姫様に
私の大好きな女優シャーリー・マクレーン
しばらく観ない分からないほどが芸達者な彼女が生きていない。
その召使役にカンティンフラス。
今観ればチャップリン系で笑いの質が古いが
ニーブンが何もしないからほとんど主役みたいなもの。
スペインのマドリッドの闘牛は呆れる程長い。
それでも時代設定に合わせた昔の闘牛場と観客は
”ベン・ハー”並にスペクタクル。
まあ、それがどれだけリアルなものかは
横浜に着いたの筈なのに、いきなり鎌倉の大仏
ましてや京都の平安神宮が背景として使われているので
如何わしいが・・・。
そして登場する日本人も時代考証が出鱈目で
女性のカツラが紙で、宴会芸の”おてもやん”
よく西洋人が考える”間違いだらけの日本”と言うやつだ。
まあ、それほど海外情報のない時代だからね。
それでも勿体ないのは彼らが本国米国へ渡って
サンフランシスコから大陸横断鉄道で東海岸へ行く途中
先住民インディアンが列車を襲う場面。
意味なく彼らをバンバン殺す場面は
当時でも物議を醸しただろうと思われる。
それでも此の映画には”カメオ出演”の先駆けとなる
マレーネ・デートリヒ、フランク・シナトラ、バスター・キートン
それに米国ギャング映画の常連ジョージ・ラフトに
大口ブラウンことジョー・E・ブラウン
ギョロ目のピーター・ローレと、亡くなった和田誠さんが
似顔絵を描いていた個性的な役者が続々。
だから、多分又いつか観ることだろう。
あっ、そうだ、最後のタイトルアニメーションが
とても良く出来ていてソール・バスかな?と思ったら
果たしてそうだった(笑)
0 件のコメント:
コメントを投稿