ジャン=ポール・ベルモンド映画#8
いぬ Le Doulos (1962) : 音楽 Paul Misraki
此の作品も久しぶりに再見、したがって感想は長くなりそう。
監督はジャン=ピエール・メルヴィル、フィルム・ノワールの親分格。
ゴダールの「勝手にしやがれ」に、彼は俳優として出演しているし
「モラン神父」ではベルモンドを何と神父の役にしている。
此の作品はギャング社会の信頼と裏切りがテーマ。
その隠語で”帽子を被った奴”と呼ばれる警察への密告者を
日本語に訳して邦題は”いぬ”という訳。
「冒険者たち」の名優、セルジュ・レジアニとの共演
物語は、その彼を裏切る男としてベルモンドが登場
しかし、それは・・・。
全編、曇り空で撮られたかのようなモノクロ映像に
ポール・ミスラキ作曲のクールなフレンチ・モダンジャズが流れる。
もう、それは紛れもなくフィルム・ノワールの
ムードそのものでワクワクする。
他にも「5月のミル」のミシェル・ピッコリや「柔らかい肌」の
ジャン・ドサイと懐かしい顔ぶれが続々。
(ここからネタバレ注意)
結局、ベルモンドは"いぬ”では無く友達の
レジアニを助けるために警察を利用して
情報を流し彼を救う事だったと後で分かる。
つまり本当の親友だったと言うわけ。
しかし彼に裏技られたと思った彼は留置所で出会った
出所まじかの男に彼の殺害を依頼していて
果たして、それは止める事が出来るか?という
最後までハラハラさせる展開。
音楽のポール・ミスラキは監督メルヴィルと同じユダヤ系
戦時中は地下に潜りレジスタンス活動をしていたのも同じ。
その裏切りの映画はメルヴィルの「影の軍隊」に繋がる。
ハッピーエンドに見せて、苦い結末ははフィルム・ノワールだから。
誰もがそのジャンルの、いや
フランス映画の傑作に上げる此の作品、是非観られると良い。
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