トータル・リコール(1990) : ポール・バーホーベン監
もう公開されてから、もう30年も経つかと驚くが
此れを私は三度は観ている。
ポール・バーへーベンはオランダ出身の監督
母国のTVシリーズ等で名を挙げハリウッドに進出した。
人気が出たのは「ロボコップ」
彼の特徴は表現がグロテスクな事、普通”スプラッター”と
言われる血飛沫は当たり前。腕がバッサリ切られたりと
目を背けるシーンが平気で入る。
彼の生い立ちが第二次世界大戦のオランダでは死体が
日常茶飯事に路上に転がって居たらしい。
まあ、それだけでは無く、此の後の宇宙物
「スターシップ・トゥルーパーズ」では巨大昆虫が
ウジャウジャ出て来て地球防衛軍(懐かしい名前)の若い兵士を
巨大な爪でずぶずぶ刺し殺すなんて場面の連続だから
サディズムは彼の趣味なのだろう。
それは兎も角、此の映画は”ブレードランナー”と同じ
フィリップ・K・デック原作のSF短編の映画化。
火星を植民地化しているに支配者とその血に移住した
人間たちの戦いを描いている。
主人公は火星は空気が薄い筈だが地底は氷が有り
それを溶かせば酸素が生まれる秘密を知っている。
彼は、その記憶を消され地球に戻されていたのに気づき
自ら火星に乗り込み、その地の移住者たちと一緒に戦う物語。
此れを面白くしているのはミュータント(変異人種)の登場
ここで監督のグロテスク趣味が生きてくる。
ピカソの絵のような顔が半分ないやつ
オッパイが3つある女性と、もう漫画家・杉浦茂の世界。
もう、特殊メイクのオンパレード。
それが又良い方のレジスタンスなのだから、ややこしい。
中にはミュータントながら裏切るものも居て
此の後、大ヒットした「氷の微笑」の美人
シャロン・ストーンの悪役も楽しめる。
ただ惜しいのは此の監督は映像のセンスが無い。
カメラマンの選択もあるのだろうが照明の悪さで
どの場面もセットがバレバレ、舞台劇のようになっている。
そこが”ブレードランナー”の監督リドリー・スコットとの差だ。
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