追想(1956)
イングリッド・バーグマンの大ファンとして
全作品をDVDで持っているつもり私だが
此れは持っているのに見逃していた。
TVのオンエアを機にやっと観てみた。
ロシアの最期の皇帝ニコライ2世の娘アナスタシアの物語
処刑されたはずの彼女が生きているという噂に
残された巨額の遺産が絡み、所縁のある者たちが動き出す。
バーグマンが演ずる女性は容姿がアナスタシアと瓜二つ
記憶喪失で病院に入れられていたのを
元ロシアの将軍ポーニン(ユル・ブリンナー)が見つけ出す。
それを”マイフェアレディ”よろしく皇女に教育し
当人も段々その気になり本物化して
観るものも、そうかもしれないという気になる脚本。
問題は、彼女だと証明できるのは存命のロシア皇太后だけ
偽物か本物か此の二人の対決が映画のクライマックス。
此の場面に歴史に翻弄された女性二人の人生を
凝縮させた台詞も良く出来ているが
此の作品で2度目のオスカーを取ったバーグマンは勿論だが
皇太后を演じた老女優ヘレン・ヘイズが素晴らしい。
此の二人に比べればユル・ブリンなーなど・・・。
他にも名優エイキム・タミロフにマーティタ・ハント
如何にもそれらしい脇役たちは今はもう居まい。
監督アナトール・リトヴァグは
バーグマンとアンソニー・パーキンスで「さよならをもう一度」を
もう一度撮っているが、元はといえばロシア出身
ドイツ映画を経てハリウッド進出した名匠。
あそうそうバーブマンは彼の「黄色いロールスロイス」にも。
リフレインされるエモーショナルなメロディーは
アメリカ映画音楽の大御所アルフレッド・ニューマン。
もっと早く観ればよかった。
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