2021年4月21日水曜日

追想(1956)
イングリッド・バーグマンの大ファンとして
全作品をDVDで持っているつもり私だが
此れは持っているのに見逃していた。
TVのオンエアを機にやっと観てみた。
ロシアの最期の皇帝ニコライ2世の娘アナスタシアの物語
処刑されたはずの彼女が生きているという噂に
残された巨額の遺産が絡み、所縁のある者たちが動き出す。
バーグマンが演ずる女性は容姿がアナスタシアと瓜二つ
記憶喪失で病院に入れられていたのを
元ロシアの将軍ポーニン(ユル・ブリンナー)が見つけ出す。
それを”マイフェアレディ”よろしく皇女に教育し
当人も段々その気になり本物化して
観るものも、そうかもしれないという気になる脚本。
問題は、彼女だと証明できるのは存命のロシア皇太后だけ
偽物か本物か此の二人の対決が映画のクライマックス。
此の場面に歴史に翻弄された女性二人の人生を
凝縮させた台詞も良く出来ているが
此の作品で2度目のオスカーを取ったバーグマンは勿論だが
皇太后を演じた老女優ヘレン・ヘイズが素晴らしい。
此の二人に比べればユル・ブリンなーなど・・・。
他にも名優エイキム・タミロフにマーティタ・ハント
如何にもそれらしい脇役たちは今はもう居まい。
監督アナトール・リトヴァグは
バーグマンとアンソニー・パーキンスで「さよならをもう一度」を
もう一度撮っているが、元はといえばロシア出身
ドイツ映画を経てハリウッド進出した名匠。
あそうそうバーブマンは彼の「黄色いロールスロイス」にも。
リフレインされるエモーショナルなメロディーは
アメリカ映画音楽の大御所アルフレッド・ニューマン。
もっと早く観ればよかった。



 

0 件のコメント:

コメントを投稿