2021年2月26日金曜日

ガス燈(1944)

私はイングリット・バーグマンの大ファンで

彼女の出演作品は全てDVDに焼いて持っていた筈だが

何故かアカデミー主演女優賞を得た此の作品を見逃していた。

監督はジョージ・キューカー。

彼は元ブロードウェイの役者兼演出家。その的確な演技指導が評価され、

映画監督としてハリウッドに招かれている。

キャサリン・ペップバーン、ジュディ・ガーランドにグレタ・ガルボ、

オードリ ー・ヘプバーンそして此のバーグマンと

俳優に演技開眼させアカデミー主演女優賞を取らせるのでも有名。

此の作品はサスペンス映画。

舞台劇の映画化だから良く脚本が練られていて、

巧みな伏線や、どんでん返しに最後まで観客の緊張は緩まない。

それでも当時29歳のバーグマンの女盛りの美しさには

何度も、ため息が出てしまう。

そして、ただ美しいだけでなく過酷な運命に翻弄され

気が狂う寸前まで追い詰められる彼女の素晴らしい演技には

アカデミーならずと誰もが称賛を惜しまないだろう。

此の映画の作られたのは太平洋戦争真っ只中

、物語の舞台になる英国ロンドンには、おそらくロケしていない。

公園に建物まで作り込んだ巨大なオープンセットに、

ひと時代前のオペラ歌手の大邸宅内部の贅沢な装飾、

そして題名のガス燈の繊細な美術と照明。

もう、どれを取り上げても圧倒的な素晴らしさ!

当時、こんな凄い映画を作る余裕のある国に対して日本は、

焼け野原の中、竹槍で本土決戦の準備をしていたんだから、全く・・・。

私と同じ様に、まだ観ていない方のためにストーリィは

明かさないが、とにかく面白過ぎるくらい面白い。

この後、ヒッチコック作品の「白い恐怖」「汚名」と

彼女のスリラー作品は有るが此れが最高の演技だろう。

此れは私の持っている彼女のDVD-BOXの表紙
因みに私のBEST-5は
「カサブランカ」「誰が為に鐘は鳴る」「さよならをもう一度」
「サボテンの花」に此の「ガス燈」が「追想」と入れ替わった。

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