2020年12月12日土曜日

「アラスカ魂」(1960) : 監督ヘンリー・ハサウェイ
此の映画を私は高校一年の時に
栃木の映画館で観ている。
かれこれ58年前の話だ。
だから殆どストーリーは覚えていないが
やたら殴り合う場面の多かった記憶がある。
それをBSの録画で昨夜観たところ
果たして、その通りだった(笑)
話はゴールドラッシュ時代の北アメリカの果てアラスカ。
相棒と一緒に金鉱を掘り当てたジョン・ウエインが
新たに金を掘る機械の買付けと相棒の婚約者を連れにシアトルに行くと、
既に彼女は結婚していて、仕方なくカフェで出会ったフランス女を
代わりにアラスカに連れてゆく。
でも途中で彼は彼女に惚れてしまい。
相棒に彼女を見せたが最初は婚約者と違う!と
怒ったものの結局、彼女を好きになり
相棒の弟まで夢中になるから話はややこしくなる。
此のみんなを夢中にさせるフランス女を
まさにフランス生まれの当時ファッションモデルの
トップだったキャプシーヌが演じた。
その洗練された美しさはジョン・ウエインならずとも
魅了されるのは無理はない。
そして人の良い相棒役のスチュアート・グレンジャーや
ズル賢い敵役のアニー・コバックスと、その地の酔っ払い役などの
キャスティングの巧さに、監督ヘンリー・ハサウェイの演出が冴え渡る。
とにかく此の監督はモンローの「ナイアガラ」から
マックイーンの「ネバダスミス」
ジョン・ウェインとは相性が良く彼の晩年の傑作
「勇気ある追跡」と、大スターを使いこなす実力派。
此の映画は西部劇、いやアラスカだから北部劇か?
なのに拳銃は出てきても何故か射殺シーンは皆無なのが不思議。
ジョン・ウエインが、まだ若く、身体のキレも良く。
ギャグを盛り込んで、ひたすら殴って、殴られ、
殴り返し又殴り合う。酒場は滅茶苦茶に壊され、
道路に倒れれば泥濘みで
誰が誰だか分からないほど皆泥だらけ。
画面の隅々まで暴れまくる男達に
ハリウッド・アクション映画の黄金時代の輝き、
そして古き良き時代の大らかさを感じさせる作品だ。

0 件のコメント:

コメントを投稿