ケリー・レノ(1966~)
もう此の少年の事は誰も覚えていまい。
今はもう54歳になった筈だ。
フランシス ・F・コッポラがプロデュースした映画
「ブラック・スタリオン少年の黒い馬」(1979)にオーディションで選ばれ、
映画初出演ながら父親との船旅で嵐に船が難破し
彼ひとり海に放り出され南海の孤島に漂着、
ロビンソンクルーソーの様な生活をする
孤独な少年の演技をした11歳の少年だ。
その自然な演技は監督キャロル・バラードの演出力も、
さることながら天性のものだろう。
名子役は今迄ハリウッドから沢山生まれているが
同時に難破船から放りだされた黒馬を友とし
鞍も手綱も無しに乗りこなせた彼は
映画が生んだ奇跡としか言いようが無い。
此れに続いて「ブラック・スタリオン・リターンズ」という
少し大人になったケリー少年がアラビアでレースに出場する
ダイナミックな映画も出来そちらも彼の演技は素晴らしかった。
青春スターとしてキャリアは順調に伸びる筈だったが
その後、ハンガリーとの合作映画に出た直後、
自ら運転するピックアップトラック事故で負傷し俳優生命は、そこで断たれた。
今は牧場経営にトラック運転手となっているらしい。
それでも南海の青い海に躍動する少年の美しさは
此の映像に見事に定着されている。何度観ても溜息がでてしまう。
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