2020年10月28日水曜日

ケリー・レノ(1966~)

もう此の少年の事は誰も覚えていまい。

今はもう54歳になった筈だ。

フランシス F・コッポラがプロデュースした映画

「ブラック・スタリオン少年の黒い馬」(1979)にオーディションで選ばれ、

映画初出演ながら父親との船旅で嵐に船が難破し

彼ひとり海に放り出され南海の孤島に漂着、

ロビンソンクルーソーの様な生活をする

孤独な少年の演技をした11歳の少年だ。

その自然な演技は監督キャロル・バラードの演出力も、

さることながら天性のものだろう。

名子役は今迄ハリウッドから沢山生まれているが

同時に難破船から放りだされた黒馬を友とし

鞍も手綱も無しに乗りこなせた彼は

映画が生んだ奇跡としか言いようが無い。

此れに続いて「ブラック・スタリオン・リターンズ」という

少し大人になったケリー少年がアラビアでレースに出場する

ダイナミックな映画も出来そちらも彼の演技は素晴らしかった。

青春スターとしてキャリアは順調に伸びる筈だったが

その後、ハンガリーとの合作映画に出た直後、

自ら運転するピックアップトラック事故で負傷し俳優生命は、そこで断たれた。

今は牧場経営にトラック運転手となっているらしい。

それでも南海の青い海に躍動する少年の美しさは

此の映像に見事に定着されている。何度観ても溜息がでてしまう。


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