2020年7月10日金曜日

「ニノチカ」(1939):エルンスト・ルビィッチ作品
監督のルヴィッチは淀川長治氏が口を酸っぱくして
”やはりコメディはルビィッチですね〜”と言っていたし
主演のグレタ・ガルボは日本なら原節子の様に
早めに引退している伝説の女優だから
映画ファンなら此の映画は観てなくてはいけない筈
それを、怠慢にも昨夜、やっと録画で観た。
私が生まれるずっと前の映画、果たして退屈で途中で止めるかと
思いきや上質なコメディ作品に最後まで飽きずに観られた。
まず台詞が洒落ていてビリー・ワイルダーの様だと思ったら
やはり脚本に参加していた。
ガルボの顔やアクセントがイングリッド・バーグマンみたいだと思ったら
果たして彼女もスウェーデンからハリウッドへの移民だった。
サイレント時代から人気があり、初のトーキー映画出演の
キャッチフレーズは”ガルボが話す”
そして此の「ニノチカ」は”ガルボが笑う”
そう彼女は今でいう”クール・ビューティ”
笑顔を見せない女優を売り物にしていたのだが此の映画はコメディ
前半こそロシア共産主義バリバリの女長官役で
無表情だが、恋に落ちてからは豹変して可愛い女に。
その変化が此の映画を面白くした。
まあ、ハリウッドのロシア共産主義への恐怖をモロに出している
それは今の中国や北朝鮮に重なるが
監督ルビッチや脚本のビリー・ワイルダーはギャグにしている。
それにしても当時ガルボは34歳、女盛りは過ぎていて
顔をシワがやけに目立ちアップはフィルターでソフトフォーカス。
これが引退2年前の作品。
脇役に回って演技力で勝負出来たと思うが、ファンの前から
自ら姿を隠したのは原節子と同じトップ女優のプライドか?



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