2020年7月7日火曜日

ピーター・ユスティノフ(1921~2004)
此の俳優を私認知したのはメリナ・メルクーリと共演した「トプカピ」
それから劇場版のエルキュール・ポアロ役での印象が強いが
昨夜、録画していた「クォ・ヴァディス」での演技に目を見張った。
なんと彼は悪名高いローマ皇帝”ネロ”を演じていた。
此の映画は「ベン・ハー」や「スパルタカス」と同じ
スペクタクルを売り物にする大作映画である。
宮殿から望む広場に押し寄せる群衆シーンは、あの「クレオパトラ」の
壮大なドラマを思い起こさせる。
それを此の”暴君ネロ”役のユスティノフの奔放なキャラクターが
一人で引っ張っている。
自分では詩人にして竪琴を弾く歌手の芸術家と思い込んで
ローマの町を焼き払い”ネロポリス”なる新都市を夢見る狂人を
実に剽軽に可愛く演じてみせる。
それには当時の二枚目スターのロバート・テイラーも
美貌のデボラ・カーも霞んでしまうほど。
そう此の映画でピーター・フスティノフはゴールデン・グローブの
助演男優賞を取ったが実は主演だろう。
一人の狂人によりローマ帝国は滅びた歴史は
ネロの先代”カリギュラ”、後には「グラディエーター」でも
描かれたが、此のネロの芸術性?には敵わないだろう。
ピーターは唯の俳優にとどまらず監督やオペラ演出もし
幾つも大学で博士号を得て、総長となり世界連邦運動の会長を務め
エリザベス女王から”サー”の称号を貰っている。
しかし英国は税金が高いとスイスへ移住したのは、彼らしい。

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