2020年2月19日水曜日

五人の軍隊 (1969)
此の映画は丹波哲郎がイタリアに招かれて
出演したマカロニ・ウエスタン。
その1年前に仲代達矢が同じ様に「野獣暁に死す」に出演している。
周知の様にマカロニ・ウエスタンはクロサワの「用心棒」を
セルジオ・レオーネがリメイクした「荒野の用心棒」に始まるから
その中で強烈な悪役を演じた仲代達矢がイタリアに
招かれるのは当然のことだったろう。
仲代達矢の「野獣暁に死す」は今一つ脚本が悪く
中途半端なデキだったが・・・。
此の映画での丹波の場合は違う
ショーン・コネリー主演の「007は二度死ぬ」で
日本側のエージェント、タイガー・タナカ役を格好良く演じ
その先にも同じ監督ルイス・ギルバートの「第七の暁」に
出演していてバイリンガル俳優の実績がある。
だいたい彼は終戦直後GHQで通訳のアルバイトをしていたのだから
此のアメリカ資本の映画に呼ばれても不思議はない。
無いどころか、日本ではTV番組「スパイ大作戦」のボスを
演じていたピーター・グレイブスを差し置いての大活躍を見せる。
当時、彼は47歳。その年齢で疾走する機関車から落ちて
また、それを走って走って追いかけるという凄技を見せる。
もう、これは驚異としか言いようがない。
彼の此の映画での呼び名は”サムライ”
その見せ場は拳銃を持ったメキシコの兵隊7,8人に
囲まれても、目にも留まらぬ早業でアッという間に斬り殺す。
それは先の仲代達矢よりも数倍凄い儲け役。
しかも、セリフを覚えるのが苦手という彼らしく
彼は唖でもないのに一言も喋らず全編を通し
最後に彼らしい豪傑笑いワーハッハ!で映画は終わる。
まさに丹波哲郎の映画なのである。

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