100万ドルの血斗 (1971)
ジョン・ウエィン主演映画に何故か駄作は無い。
クロサワ作品のの三船敏郎同様、
彼にアテ書きしてあるから脚本に無理がないのだ。
無理がないどころか此の映画、彼とのコンビが多い
職人監督ジョージ・シャーマンの隠れた西部劇の佳作かもしれない。
話はモーリン・オハラが経営する大牧場に9人組の強盗が入り、
使用人たちを無残に殺し、彼女の孫を誘拐、
身代金に100万ドルを要求して彼らは国境を越え、メキシコへ立ち去る。
映画は悪役が強くて憎たらしいほど面白くなるの定説通り。
強盗の親分が個性派俳優リチャード・ブーンで、
ズル賢く、子分たちも女子供を平気で殺す残虐非道な奴ばかり。
彼女は孫を取り返すにはアイツしか居ないと指名したのが、
彼女の元亭主のジョン・ウエイン。
粗野で女癖が悪く、彼女にだいぶ前に牧場を追い出されていたという訳。
それと他にも、西部劇には珍しい自動車に乗った追跡隊が雇われるが、
それらは呆気なく強盗に待ち伏せされて全滅。
その中にオートバイに乗ってゴーグルをした若者が登場するが
此れはセルジオ・レオーネの「夕陽のギャングたち」の
ジェームス・コバーンと丸で同じ。
調べたら同じ年(1971)に作られているので偶然か?どちらかがパクリか?
兎に角、当時は「明日に向かって撃て」など
アメリカン・ニュー・シネマが出てきて西部劇も転換期、
斬新な演出と展開が求められたのだろう。
それでもジョン・ウエインの西部劇は王道。
新しい連発銃や長距離ライフルは若い奴に任せ
新しい連発銃や長距離ライフルは若い奴に任せ
彼の頑固者を強調する様な、殴り殴られの
いつものアナクロ・スタイルで最後まで通す。
いつものアナクロ・スタイルで最後まで通す。
面白いのは結局、彼の命を助けるのが皆、
実の彼の息子たちだったと言うオチで
実子パトリック・ウエインにイーサン・ウエインが出演。
イーサンは当時9歳、物語では孫という設定だが実は息子。
彼は生涯三度結婚し、子供は7人いて殆どが俳優に成った。
モーリン・オハラも彼とは家族の様なものだから
此の映画、いわばファミリー映画なのである。
それに新しい車や銃の好きの若いガンマンに
ロバート・ミッチャムの息子クリス・ミッチャムも出ている。
ジョン・ウエインは、此の時、既に64歳。
年相応に老眼鏡をかけ、動きも鈍く成っていて、
やたら撃たれて怪我だらけなのがリアル。
そこにアメリカン・ニューシネマの影響を強く感じる。


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