TV「座頭市物語」6話 ”どしゃぶり”
もう何度も此のシリーズは観て此処にも出しているが
その完成度は、やはり書かずにはいられない。
監督は田中徳三。
彼は大映で三隅研次、森一生、に続き
此のシリーズ本編を3本撮っている。
いつもながら日本映画の祖 マキノ雅広の言葉を借りれば、良い映画の条件は
"イチ筋”つまり脚本
その星川清司は市川雷蔵の眠狂四郎シリーズの名手。
無理の無い設定で座頭市を窮地に追い込む展開は見事。
”二ヌケ”つまり映像
カメラは森田富士郎。宮川一夫の助手も務め
言わば大映撮影部の生え抜き。
その凝った画面づくりは、どのカットを観ても
何度観ても、ため息が出てしまう。
特に此の”どしゃぶり”は題名通りクライマックスの、
ざんざん降り豪雨の仕掛けが素晴らしい!
ざんざん降り豪雨の仕掛けが素晴らしい!
クロサワの「七人の侍」の例をとるまでも無く、
雨を表現するのは照明。可成りの技術が無いと映らない。
雨を表現するのは照明。可成りの技術が無いと映らない。
そして”三ヤクシャ”つまり俳優。
座頭市を弟の仇と狙う女スリに
今は亡き、朝丘雪路。
古風な芸風と、その艶やかさは匂う様で当にハマリ役。
そして悪役のヤクザの親分は藤岡重慶。
非道ぶりと間抜けさが同居した役作りが巧い。
それに雇われた殺し屋”からっ風”は成田三樹夫。
敵役が強いほど映画は面白くなる。此の俳優は晩年、
そのクールな魅力が開花した。
敵役が強いほど映画は面白くなる。此の俳優は晩年、
そのクールな魅力が開花した。
よくも揃えたものだと、キャスティングは完璧。
此れに倒産した大映のスタッフを丸抱えした
勝プロの社長兼主役の勝新太郎は
勝プロの社長兼主役の勝新太郎は
雨で敵の気配を消されようが、仕込み杖を取られ様が、
バッサバッサの大立ち回りも絶好調で、もう無敵。
バッサバッサの大立ち回りも絶好調で、もう無敵。
ラストの朝丘雪路の台詞”あんたにゃ負けた”が効く憎いオチだ。
火曜日のBSフジ7時は予約しておいた方が良い。
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