「ロング,ロングバケーション」(2017)
どちらもオスカー俳優であるドナルド・サザーランドとヘレン・ミレンが
夫婦役で主演を務めるロードムービー。
原題のThe Leisure Seekerはキャンピングカーの事。
余命いくばくも無いと悟った夫婦が、憧れの地フロリダの
ヘミングウェイの住んでいた家を見るべく
息子夫婦には内緒で、キャンピングカーの旅に出る。
実年齢83歳のサザーランドに、73歳のヘレンは
設定に無理がなく、その演技力で本当のカップルがそこに居る様。
認知症の夫と末期癌の妻、もうそれだけで悲惨な話なのだが
此の二人の演技は認知症の呆けを笑いに変え
コメディーの如く物語は先へ進む。
途中、パトカーに捕まり、強盗に襲われても
長年培った夫婦の知恵で切り抜ける。
何とも仲が良くて幸せそうな夫婦に見えるのだが
癌の末期病状が進んだ妻がヘミングウェイの家で倒れて
救急車で運ばれても、ボケた夫は気づか無い。
夫はボケは可なり進んでいて道中、妻の不貞をシツコく疑い。
更に自分は目の前の妻を、昔隣に住んでいた女性と思い込み
その女性と浮気をしていたのが妻にバレてしまう。
怒った妻は、50年間ワタシを騙していたのネ!と
夫を近くの老人ホームへ入れてしまうという波乱もあり
穏やかな筈の二人の旅は滅茶苦茶に・・・。
そして此の映画なんでR-15指定なんだろうと思ったら
超老夫婦のセックス・シーンまで!
それが何んとも微笑ましく切なく哀しいラスト。
舞台は米国アトランタからからフロリダへとロケしながらも
監督はパオロ・ヴィルズィを始めとしてスタッフは全てイタリア人。
その”愛”の表現の違いが従来のアメリカ映画を超えた作品となった。
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