ジョルジュ・ドルリュー作曲集 その11
ジョルジュ・ドルリュー作曲集 その11
「映画に愛をこめて・アメリカの夜 」(1973)
しばらくドルリューを使わなかったトリフォーが
「恋のエチュード」「私のように美しい娘」と
再び使い出して3作目の此の作品は
映画の舞台裏、自分を含めた俳優達やスタッフ
などのエピソードで構成されている。
映画制作は部外者から見たら
実に不可思議で間抜けな作業も多い。
それに他人を演じる俳優という職業も謎だらけ。
そこにトリフォーが目をつけたという訳だ。
作曲のドルリューは、”撮影所”を日常から離れた
”城”に見立て、なんと宮廷音楽を持ってきた。
それは導入部の高揚感や映画が完成し
スタッフが解散する最後の哀愁が、とても効いていた。
その年のアカデミー外国語映画賞受賞!
トリフォーは此の映画の撮影日記を出版している。
それによると彼は此のニース撮影所に偶然
以前に組まれたパリの街のオープン・セットを見つけ
此の映画のシナリオを閃めいたと書いている。
その本が出る前、私も偶然このニース撮影所に
セットの打ち合わせに行き
時間つぶしに撮影所内をウロウロしている時
かなり壊れていたが、見覚えのある路地や建物に
ひょっとしたら此れは「アメリカの夜」の
オープン・セットではないか?
確か、この辺りに地下鉄の入り口が・・・
そしてススキに隠れた、それを見つけた時
私の耳に此の音楽が鳴り響いたのだった。
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