我が青春のイタリア映画音楽その7(早くも最終回)
A Fist Full Of Dollers:Ennio Morricone
ニーノ・ロータを1曲で飛ばすのは心苦しいが
彼と肩を並べる”マエストロ”といえば
エンニオ・モリコーネ。
とりあえずマカロニ・ウエスタン音楽で有名になった人だが
ニーノと同じようにクラシック音楽を研究して
さらに現代音楽にも造詣が深く
先の”サンライト・ツイスト”等も書ける才能は
ニーノと違うところ。
「荒野の用心棒」が、黒澤明のリメイクであることは
周知の通りだが、それに付けた早坂文雄の音楽は
当時の映画音楽では異色の構成で
ラテン楽器に変拍子の現代感覚を持っていた。
だから、リメイクにあたってモリコーネは
その現代性だけを音楽的に踏襲したと思われる。
それが、あの独特な楽器編成とリズム。
セルジオ・レオーネの大胆なカメラ・アングルと共に
”マカロニ”のスタイルと成った・・・と
偉そうにいう私は当時”マカロニ”はチャチくて
インチキ臭く、好きではなかった。
それでもハリウッド資本で大作を撮り出したレオーネ作品の
完成度には目を見張った。
そしてモリコーネのメロディーの美しさに気づいた。
その後、TVシリーズの「マルコポーロ」に
付けられたモリコーネのスコアは彼の最高傑作と思えるほど
素晴らしいものであった。
あのヨー・ヨーマも自分のアルバムで此の曲を
取り上げているがモリコーネのバロック音楽と
東洋のメロディーの融合が、そこには感じられる。
Ennio Morricone - Marco Polo Main Theme
坂本龍一は大作「ラストエンペラー」の
作曲を依頼された時、しつこい程ベルトルッチに
「1900」等のモリコーネ作品を勉強するように言われ
”打倒モリコーネ!打倒モリコーネ!!”と自分に言い聞かせたとか。
その甲斐あってアカデミー作曲賞を日本人で初めて取ったわけである。
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