2017年3月20日月曜日

House of Cards Season-2
シーズン-1は、ずっと毎回観ていたが
BSでシーズン-2を一挙に放映というので録画した。
全部で13話あるから13時間という事になる。
さすがに私の体力が持たないので
約半分の7話まで一昨日、そして昨夜13話全て。
いやはや凄いドラマである。
TVのアカデミー賞と言われるエミー賞で
ドラマシリーズとして史上初の受賞。
それも頷ける完成度、下手な劇場用ドラマより
制作費も掛かって居るし
何より主演のケヴィン・スペイシー自らプロデュース
売れっ子監督デヴィッド・フィンチャーが総指揮だ。

シーズン-1では国務長官を目指して
大統領を応援していた主人公が土壇場で彼に裏切られ
そのポストは得られなかったが
彼は若い女性記者と関係を持ち、偽の情報を操作し
国務長官を陥れ、ついに自分は副大統領の地位を得る。
更に、部下の議員を州知事に出馬させ
利用しきれないと判ると、自殺に見せかけ殺してしまう。

さてシーズン-2だが
先の若い女性記者が主人公との関係に疑問を持ち
同僚の記者と彼の殺人の証拠を追い始めるが、あっけなく
彼女も地下鉄のホームへ突き落とされて死んでしまう。
まさか、まさかである。
目的の為なら手段を選ばず
複数の陰謀をめぐらす此の主人公が
ドラマとはいえ2度も殺人を犯すなんて
誰が想像するだろう。
ピカレスク(悪党)ロマンである。
敢えてロマンと呼ぶのは
政治というジャングルでのサバイバル・ストーリィーだからだ。
今の日本同様、政治の世界が汚いのは当たり前だが
ここまで、やられると怖いもの観たさで
いや、どこで彼の犯罪がバレるか?
観る方も自分が犯した犯罪の様に緊張を強いられる。
それも後から後へ13話も続くのだから堪らない。

主人公は妻と組んで、大統領夫婦の不仲につけ込み
彼らを精神的に追い詰めて行く。
大統領には原発で儲けて居る大富豪の友人が居る。
それは主人公のライバルでもあり、中国とも繋がって居る大物だ。
その敵を際どいヤリ方で、その彼ともども
大統領まで弾劾裁判にかけ、失脚させてしまうという
ダイナミックでスリリングな展開。
ラストは、とうとう主人公は欲しかった大統領の座を得る。
ホワイトハウスの大統領室での彼のエンディングの表情の厳しさ。
演出上、時々、主人公はカメラに向かって本音をバラすが
それすら嘘をつく。
全く主人公が何を企んで居るか分からない。

ロビン・ライト演じる妻も、それ以上。
見せかけは優しく知性にあふれた女性だが
平気で親友を裏切り、不倫をして、憎む相手に報復する
”似たもの夫婦”である。
彼に操られている側近達も非情ながら
それぞれ細かく人間性が描かれて
俯瞰で見れば、それらは大河から別れた支流の様。
主人公の大統領就任の陰で犠牲になり死んでゆく
それらの捨て駒の哀れさ。
コッポラの大作「ゴッドファーザー」シリーズで
マーロン・ブランド扮するドン・コルネオーネが
”マフィアなど政治家に操られる人形みたいな存在だ”と。
コレは、その操り師の物語なのだ。
なにせ此のドラマ、米国ではシーズン-4まで
既にオンエアされ今、シーズン-5を制作中だとか?
此のシーズン-2で、既に主人公は
いつ殺人罪で逮捕されても、おかしくはないが
どうやって逃げ切るのだろう。
ドラマにしても米国大統領を”人殺し”にしてしまうなんて
アメリカってすごい国だな(笑)
↑画像をクリックすると大統領の殺人現場が・・・。

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