「シェラマドレの決闘」(1966)
マーロン・ブランドが自分で監督した
「片目のジャック」の5年後に
出演した此の作品は、西部劇ファンの間では噂の名作。
原題は”ザ・アパルーサ”
それは斑点の有るメキシコ馬の種類。
此の馬を盗まれた男の報復が主なストーリー。
白人ながら孤児としてメキシコ人家族に育てられた男が
南北戦争から故郷に戻り、育ての親の息子たちの為に
此の馬”アルパーサ”の牧場を作ろうとした矢先
その辺り一帯を支配する親分に馬を奪われてしまう。
しかも縄をかけられ、河の中を引きずられ
木に吊るされるという仕打ち。
此の悪党を「燃えよドラゴン」の敵役ジョン・サクソンが演じ
その子分の筆頭に、メキシコ人の悪役No.1の
エミリオ・フェルナンデスそしてアレックス・モントーヤと
憎々しい面構えの悪役たちの超クローズ・アップの対決に
流石のマーロン・ブランドも殆んど敵いそうに無いのが
此の映画の面白さ。
監督のシドニー・フューリーはカナダ出身。
前作で監督までしている癖のある俳優の起用に張り切って
普通の西部劇とは一味違う作品に仕上がった。
派手な撃ち合いこそ少ないが、サソリを使った
腕相撲対決など、なかなかの心理戦で緊張感を持たせる。
悪党の女(アンジャネット・カマー)が寝返って
♪連れて逃げてよと”矢切りの渡し”は
メキシコとアメリカの国境の河。
追ってきた悪党とのラストの決闘が”シェラマドレ山脈”
邦題の「シェラマドレの決闘」という訳。
あの「地獄の黙示録」で、お馴染み
長〜いマーロンの苦みばしったモノローグも
テンポの速い編集で、バランス良く見られ
何よりカメラが、アメリカにも
宮川一夫が居たか?というくらい斬新。
「荒野の用心棒」のヒットは此れの2年前だから
スタッフはマカロニを意識したかも・・・。
日本では、それほどヒットしなかったが
西部劇ファンが押すのがとても解る。
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