鬼平犯科帳ファイナル
此の長寿時代劇の最終回は前後篇2話のオンエア。
まず一夜「五年目の客」は以前、波野久里子がやった役を
今や時代劇のヒロインをやらせたらNo.1の若村麻由美が演じた。
此のシリーズの特番が面白いのは
向田邦子ドラマで演出家・久世光彦に鍛えられた
脚本家・金子成人のに負う処が多い。
此の「五年目の客」も彼の人間を見つめる目の優しさが光る。
主人公は岡場所に身を沈めた女。
弟の病気を治すため、
たった1度の過ちで客の金を盗み逃げた。
でも、その金で弟は治り
自分も、やもめの宿屋の大旦那に見初められて後妻に。
やっと掴んだ幸せだったが
そこへ昔、金を盗んだ相手が宿屋へ客として泊まりに来る。
此の客を、如何にも女たらしの谷原章介が演じ
強引な口説きに女は身を任せてしまう。
優しい夫を裏切り、ひとり悩む女を
若村が、けなげに演じ
夜中に宿の前で鬼平とかわす酒の表情は
梶芽衣子の”おまさ”の台詞では無いが
「ありゃ地獄をみた女の顔だ・・・」が哀れ。
でも実は男は盗賊で、宿屋が金貸しをしていて
その蔵の大金が目当てで宿を探りに来ていたのだ。
鬼平たちは一早く、その情報を掴み、先回りして
宿で盗賊一味を待ち受け、一網打尽に!
しかし、その頃、女は逢い引きの場所で
なんと思い余って男の首を絞めていた。
例によってラストの鬼平の捌きは?
「あれは、夢だったんだよ!」と女の罪を問わず
鬼の平蔵らしくなく珍しく甘いが
脚本・金子成人が女優・若村麻由美にあて書きした
ファイナル最終回なら許せるか?と。
続く2話「雲竜剣」
此れも以前に露口茂が演じた医者ながら、実は盗賊役を
最近、役者に転向した舞踏家・田中泯が。
此の人、晩年の丹波哲郎の用で、佇まいは良いのだが
台詞や細かい内面の芝居のキャリアが、まだ足りない。
同じく、尾上菊之助も歌舞伎育ちで所謂”スワリ”が良く
妖剣の使い手として様(さま)には成っているが
芝居はまだまだ。とんだ眠狂四郎もどき。
親子の確執ドラマなのに肝心の主役二人の芝居がアウトだから
なんとも締まらない話と成ってしまった。
でも救われるのは、錦之助の弟・中村嘉葎雄が
まだ元気で謎の鍵職人をライダースの鈴木慶一くんの様に
飄々と楽しそうに演じて居た事。
それでも高齢化した”鬼平ファミリー”は
皆さんギリギリ・セーフというか、流石に此れがファイナルだ
と言うのも頷けるものだった。








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