BROW-UP(欲望)1967
此の映画の題名は、どう考えても内容に合っていない。
原題通り「ブロウ・アップ=引き伸ばし」と、すべきだろう。
話は”スインギング・ロンドン”と呼ばれる
1960年代のロンドンを舞台に、
華やかなファッション・カメラマンを主人公にした
ミステリーいやミステリー仕立ての不条理劇。
しかし当時、作風は難解ながらも鬼才と云われ
世界の映画祭の賞を総なめにしていた
監督ミケランジェロ・アントニオーニが
母国イタリアを離れ外国で撮った最初の作品だ。
オープニング、ハービー・ハンコックのジャズをバックに
緑の芝生をマスクで抜いたタイトル文字がモダンだ。
此の美しい緑の芝生こそ、此の映画全体を覆う背景。
たまたま来た、その緑の公園で
そのカップルの女性に気付かれ、ネガをよこせと詰め寄られる。
しかしカメラマンとして被写体に何か?を
感じた主人公はネガを渡さない。
すったもんだの間に相手の男が消えてしまう。
カメラマンが自分のアトリエに戻った処に再び公園の女が現れ
執拗にネガを要求する。
カメラマンは女に身体と引き換えに渡すと嘘を付き、交情する。
しかし、そのネガは偽物で果たして本当のネガを現像
引き伸ばし(BROW-UP)てみれば
何やら公園の茂みから銃口が、そして更に草むらには
倒れた男らしきものが映っていた。
気になった主人公は、その夜、現場の公園に戻ると
やはり男の死体。
その事実を話しても誰も信じないどころか
証拠の写真は何ものかに依ってアトリエからも消えて居た。
これだけでは、単なるミステリーだが
再々度,現場に戻っても男の死体は影も無く消えて居て
主人公は果たして、その殺人は本当に在ったものか疑いだす。
それまでの作品「さすらい」「情事」「赤い砂漠」等で
現代の男女の”愛の不毛”を追求して来たアントニオーニが
現代の男女の”愛の不毛”を追求して来たアントニオーニが
更に人間の記憶の曖昧さに踏み込んだ”妄想”を描いている。
しかし、それだけではなく
当時のロンドンのポップでモダンな風俗とロック音楽を通して
時代そのものも描いている。
時代そのものも描いている。
特に”ヤードバーズ”の壊れたギターに夢中になる観衆や
テニスコートでパントマイムで演じられる試合などに
巻き込まれた主人公は
虚と実の曖昧さに揺さぶりをかけられる。
虚と実の曖昧さに揺さぶりをかけられる。
”スインギング・ロンドン”を代表する映画として
未だに高い評価を得ている此の作品。
ミーハー的に観れば先のヤードバーズは
ジミー・ペイジとジェフ・ベックのツイン・リード・ギター。
売れなくてフランスに渡る前の女優ジェーン・バーキンの
可哀想な姿が映っている。
それにしてもロールスロイスに乗り、トップ・モデルに股がる
此の主人公カメラマンの格好良さに憧れ、
その道に入った人も多かろう(笑)







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