ミシェル・ルグランの映画音楽
愛と哀しみのボレロ (1981)
監督クロード・ルルーシュは
彼の第二次世界大戦前後史ともいえる超大作の
音楽を構成するにあたって、それまで彼の総ての作品を
担当していた盟友フランシス・レイに
クラシックやジャズに造詣の深いルグランとの共作を求めた。
それを受諾したレイも偉いが、ルグランも偉い。
完成した此の作品のスケールを観れば
それは当然不可欠の要素だった事が理解出来る。
此の曲”サラのセレナーデ”を聴くと
ルグランらしいメロディが、ジャズで演奏されているが
登場する家族の末裔がジャズメンだった事に因む。
また親子が引き裂かれる場面には
フランシス・レイの美しくも哀しいメロディが胸を打つ。
そしてルグランの才能を改めて感じさせるのは
フィナーレのラベルの”ボレロ”のアレンジ。
まさにベジャール・バレエ団の振り付け構成そのままに
登場した家族、それぞれの歩んだ”愛と哀しみ”のエピソードが
1つに纏められ、クライマックスの高揚と感動を生む。
「男と女」が、ルルーシュの出世作だったとすれば
此れは、まさに彼の”集大成”と云えるだろう。

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