サティ生誕150年「サティースフィクション
夜中にやっていた此れはエリック・サティのドキュメンタリー番組
まず、サティ自らが描いたというイラストが
アニメーションとなって動き出す。
彼は作曲家でありながら絵も描いていたのだ。
それは今で云う”ヘタウマ”でシンプルな線描きなのだが
自分の姿、顔、そして飛行船まで描かれ
また彼独自のカリグラフィー(文字)も付いていて
その豊かな才能に驚かされる。
そう、彼はジャン・コクトーやピカソ等が出入りした
パリのカフェのピアノ弾きで生計を立てていて
彼等との交流の中から”あれくらいなら私も描ける”と
思ったかは解らないが、そのウイットに富んだイメージは
ピカソ、コクトーに負けない洒落たセンスが感じられる。
そのジャン・コクトーを始めとして
生前の彼を知る人達が出て来て
”サティの人となり”を語るのだが
何時撮影されたのか、その顔ぶれが皆凄い!
写真家にして映画監督でもあったマン・レイや
近代音楽を生んだ著名な作曲家が次々と登場するから
もう、それだけで貴重な記録と成っている。
それだけでなく此のドキュメンタリーは
サティの作品そのもののイメージを追求し
そのユニークな曲の題名の付け方に触発されたか
様々な映像でサティの世界を表現している。
演奏は駅や工場、レストランにプールの中と
まさに後にジョン・ゲージやイーノに受け継がれた
環境音楽の創始者は彼なのだと。
「ぶよぶよした前奏曲(犬のための)」
「うつろな空想」「世紀ごとの時間と瞬間の時間」
ユニークな題名の曲の連弾は、なんと
二階建てのピアノで演奏され
静かな曲は繰り返し雪降る中、ピアニスト演奏
最後には、雪に埋もれてしまう演出まで。
彼が生きた時代はドヴィッシーやラベルの活躍した
いわゆる印象派の頃
彼等が持て囃されていた中で
”誰とも違う、それまでに無かった音楽”を
追求したサティは生前、不遇だったと言う。
それでも孤高に自分の才能を信じて作品を
次々と作って行った。
その作品が評価されたのは、画家ゴッホと同じで
彼が亡くなってからである。
ドイツのテレビ局の制作らしいが
題名の「サティースフィクション」からして
ストーンズの”サティスファクション”をモジったものだし
もしサティが観たら、充分満足しただろう。
いや、臍曲りだったというから
おそらく”違う!”と云うだろうな。



アニメーションの処をクリックすると、何故かいきなり2分39秒に飛んでしまって
返信削除肝心なアニメーションの件がカット状態になってしまいます。
なもので、手動でスタート位置に戻してやって初めて解説の内容が理解できるかな?って按配です。
でも、サティだったら「否」とか云々 はきっと言うだろうと思う物足りなさでしょうか…
サティはパリに出てから
返信削除自分の容貌を3度変えたと番組で、
山高帽の有名なキャラは
イラストも含めて自分のスタイルに拘った
彼らしい演出です。
その処もイメージ時代を先取りした彼らしさです。
ただ生きてる間は売れなかったですけど(笑)