2015年3月29日日曜日

フューリー (2014)
ブラッド・ピット主演の戦争映画
タイトルの「フューリー」は彼が指揮するティガー戦車の愛称だ。
今では世界一の性能を誇る米国の戦車も
第二次世界大戦当時はドイツの戦車に劣っていた。
その戦車の副操縦士が映画冒頭で戦死し
新たに配属されて来た新兵の目線で此の映画は語られる。
戦車の中にはブラッド・ピット演じる”ドン”と
共にアフリカ戦線を戦って来たクルーが他に4人
何れもベテランの猛者達だ。
新兵はヒトを殺す事に怯え、彼等に馬鹿にされる。
それを見たドンは彼を教育する為に捕虜のドイツ兵を
敢えて皆の目の前で殺させる。
その新兵役を演じるはローガン・ラーマン
映画「パトリオット」でメル・ギブソンの息子役を
当時8歳でやっている。
その時も初めての人殺し体験に怯えていたが
その彼も此の映画では23歳の青年。
占領した町の建物に隠れていた娘と
初体験する程に・・・。
此の辺りのローガン・ラーマンの演技が瑞々しく
キャスティングの巧さを感じる。
しかし彼も次々と戦闘を重ねる内に人間を殺す事に慣れ
仲間から”マシン”と渾名が付けられる程に成る。
一人前に成った途端、彼等に待ち受けていた
運命は前線の十字路を固守する事
3台有ったはずの戦車もドイツの強い戦車に2台破壊され
たった1台となったそれも十字路の地雷で
キャタピラが壊され、立ち往生となる。
そこへ運悪くドイツの先鋭SS部隊が
ベルリンに向い行軍して来る
果たして彼等の運命は如何に?
イーストウッドの映画「硫黄島からの手紙」では
日本軍の玉砕に何の意味が有ったのかが描かれたが
此の映画でもブラッド・ピットは
1台の戦車で勝ち目の無い戦さを挑む。
ヒロイズムは男を酔わせる。
ベトナム戦争や湾岸戦争の反省で、米国は戦死者の数を
如何に減らすか?という戦略に変更したが
幾ら無人兵器やロボットに戦わせても
戦争の目的が人を殺す事だから
相手の兵士は頭を吹き飛ばされ、血を流し死ぬ。
その現実は何も変わらない。
此の脚本を書き、ブラッド・ピットに資金を出させ
映画を監督したデヴィッド・エアーは、シュワルツェナガーの
「サボタージュ」等アクション物が得意な監督だが
痛快さとは程遠い、反戦映画に成った処が面白い。

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