2015年2月23日月曜日

第2次スペクタクル映画
結局、此のシリーズは8年の歳月をかけ
総製作費2億8500万ドルで完成した。
恐らく第1次スペクタクル映画ブームの時代では
此の予算とスケジュールでは出来なかったと思うし
原作のファンタジーを実写で映像化するのは
とても不可能だったろう。
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 ロード・オブ・ザ・リング 王の帰還(2003)
最終章にあたる此の作品は何と201分!
もっと長い250分版も存在すると云う。
昨夜久しぶりに又観たが、流石に此の長さは疲れた。
ところで此の冒頭で気味の悪い姿のゴラムが
実は昔、ホビットだった事が明かされる。
その当時の姿を演じている俳優がアンディ・サーキス。
彼は「キングコング」でナマコの巨大お化けに
頭から食われたね。
彼の”指輪”に対する執着は二重人格となり
シェークスピアの「マクベス」のイアーゴの様に
イライジャ・ウッド扮するフロドに付きまとい
フロドと、お供のサムを仲違いさせる。
此の辺りの描写に背景が崖っぷちのアングルと
彼等のクローズ・アップで緊張感を生む。
まったく、何処で此んな映画文法を学んだろう。
そして並行してカット・バックされる2つの戦さは
相変わらずの気の遠くなる様な兵士と兵士のモブ・シーン。
C.G.のアニメーションと解っていても
血なまぐさい合戦を動きの有るカメラ・ワークと
S.E.で見せられると、まるで戦場に居るかの様な
錯覚にとらわれる。
そして、更にエモーションが高められるのは
味方の王、2人の決断が人間ドラマとして深みを出す。
片や最期まで砦を守り、戦おうとする王に対し
その砦に籠もり自らの身体に火を付ける愚かな王との
コントラストが効いている。
アクションとサスペンスの更なるサービスは
小さな蜘蛛でも大嫌いな私は、此れに参っていたら
何のまだまだと、戦闘場面に追加される敵の象の軍団。
そのサイズの大きさに、凶暴な数本の牙まで持って暴れまくる。
これでは正義も何も勝てる訳が無いお終いだと思ったら
来るのだよ、意外な助太刀が、此れは観てのお楽しみ。
数多い登場人物をテンポ良く裁く
監督ピーター・ジャクソンの演出力は見事だ。
とかくファンタジーと云えば、子供騙しが多いが
此の作品は、それを超えて深く人間の心を描き
万人の感動を生む。
その結果として此の作品
「ベン・ハー」「タイタニック」と並ぶ
史上最多のアカデミー賞11部門を受賞
全世界興行収益11億2000万ドルと云う評価を得た訳である。

その後、ピーター・ジャクソンは此れ等の
前日談「ホビット」シリーズ3部作を作っているが
巨体であった彼自身、30kgのダイエットに成功。
今はこんなスリムに!
やはり彼は”魔法使い”にちがいない。

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