キラー・エリート(2011)
「キラー・エリート」(1975)と云えば、
ニンジャがウジャウジャ出て来る
あのサム・ペキンパー監督が・・・と
呆れ返る駄作で有名だが
此れは、そのリメイクと思いきや、
全く関係ない元SAS隊員が書いた同題小説の映画化。
SASは何か?と調べたら英国陸軍の特殊部隊。
まあ米国のネービー・シールズみたいなもの。
とにかく訓練された最強の精鋭部隊。
取り敢えず映画の主役ジェイソン・ステータムの仕事は
”必殺仕掛人”最近は”クリーナー”とも云う。
しかし、映画の冒頭で彼は人を殺すのが嫌になり
リタイアして米国の田舎に引きこもる。
そこへ息子を殺されたアラブの金持ち族長が
殺したSAS3人の殺しを主人公に依頼して来る。
その依頼を主人公が断れないのは彼の師匠が
彼等の人質に成っているから。
此の師匠をロバート・デニーロが渋く演じている。
(もう主役じゃなくて脇で儲け役をやって狡い!)
アラブの族長の依頼は、殺し方を
事故と見せかけろと云う注文まで付いている。
だから難易度が高く手子摺る、しかも邪魔が入る。
その邪魔とは彼等を阻止すべく雇われた、
影の組織”フェザー・メン”
そのリーダーが「キング・アーサー」で
主役のアーサー王をやったクライブ・オーウェン。
彼等は”フリーメイソン”の様な英国財閥に雇われている
・・・とまあ、本当に実話かいな?と
裏の話ばかりで眉唾ものだが
英国とアラブの石油の利権争いには真実味がある。
アクションの得意な”我らがハゲ男”ジェイソンと
”アーサー王”クライブの格闘場面は
此の通り、椅子に縛り付けられたまま
相手を倒し、そのままビルから飛び降りるという
アクロバテックな場面の連続。
007、M.I、ボーン・シリーズを超えたのではないか?
そして映画として興味深いのは
彼等が金で動いているのではなく
ただ、互いに”男の意地”で戦っている処。
此の構図で思い出すのは「椿三十郎」の
三船敏郎と仲代達矢、その緊張感が此の作品には有る。
アラビア半島のオマーンからロンドン、パリと目まぐるしく
展開するロケーションをカメラがダイナミックに捉え
テンポの良い編集は飽きさせない。
それと、お前ら、その顔、体型で殺し屋?という
意表を突くキャスティングも巧い。
監督ゲイリー・マッケンドリーのセンスは、なかなかだ。
なにやら続編かシリーズに成りそうなラストだが
取り敢えずペキンパーさんの「キラー・エリート」は
本当に無かった事になりそう。
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