ザ・グレイ 凍った太陽
アクション映画「ダークマン」で一躍脚光を浴び
スピルズバーグの「シンドラーズ・リスト」
ベネツィア映画祭男優主演賞の「マイケルコリンズ」
「スターウォーズ」のジェダイ・マスター役で
俳優としての頂点を極めた感のあるリーアム・ニーソン。
現在もヒット・シリーズ「96時間」等で
ボクシングで鍛えた見事な体格を生かして
年齢(62)の割りに驚異的な活躍をしている彼だが
此の作品も痛快なアクション映画を期待すると
そのタイトル通り”グレイ=灰色”は重い画面
そして邦題の太陽も凍る北極圏はアラスカの話。
主人公は石油採掘場の周りの狼を撃つプロの射撃手。
休暇で本国へ戻る途中、飛行機が墜落
生き残った他の6人と共に狼の縄張りからの
脱出を試みるが、狼に人間は餌としか見えない。
まあサファリ・パークのライオンの群れに
いきなり裸で放り込まれた様なもの。
それプラス、彼等を極寒の吹雪が襲う。
仲間いや、癖の有るメンバーは諍いをしながら
一人一人と狼に喰われ、寒さで死んで行く。
監督ジョー・カーナハンの脚本・編集の巧さと
撮影の日本人カメラマン、高柳マサノブの
その描写が素晴らしく画面の緊張が途切れない。
此のシチュエーションは「遊星からの物体X」そして
「エイリアン」シリーズと同じ恐怖感。
サバイバルで誰が生き残るか?という展開。
闇の中で光る狼たちの眼の怖さを、此れでもか?と
サスペンスを盛り上げ、観ているコチラは
此の時期、部屋の寒さも余計に感じられ凍り付く。
何とか生き残ろうとする人間の精神力にも
限界があり、頭が変に成る奴も出て来て
流石の主人公も最後に天を仰いで
「もし神がいるなら何とかしろ!」と呪って叫ぶ。
此れを何にも負けなそうなタフガイ、リーアム・ニーソンが
演じるから余計に効く。
狼の群れの輪が、徐々に狭まり・・・と
此の映画は痛快とは程遠い、ホラー形式ながら
良く描かれた人間ドラマなのである。
でも出来れば真夏の暑い時に観たかった(笑)。
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