2014年8月29日金曜日

鴛鴦(おしどり)歌合戦(1939)
TSUTAYAに此のDVDが出ていた。
マキノ正博のオペレッタ時代劇の傑作として伝説の映画だ。
何より、あの志村喬が片岡千恵蔵よりも出番が多く
競演したデック・ミネが、彼に歌手に成るのを薦めたという
リズム感の良い、音程のしっかりした歌は本物だった。
それにしても戦前の昭和14年に、背景に白い雲が流れる
大掛かりな時代劇オープンセットを作り
エキストラをフレームの奥まで仕込んで踊らせた此の映画
ジョン・ランディスの映画「ブルース・ブラザース」で
シカゴの街中が踊る場面の元ネタだったのでは
ないかと思ってしまう。
時代劇の扮装で全員が歌いスイングする場面は
なんとも可笑しくて楽しい。
それを見事に画面に納めているのが
あの溝口健二、黒澤明、市川崑の作品を撮った
日本映画屈指の名カメラマン・宮川一夫。
まさか彼が撮影をしているとは知らなんだ。
歌い踊るモブ・シーンをしっかり画面に納め
オープンの光と影を昼と夜の時間経過に使い
何より下の画面にも映っているが
白黒画面なのに日傘や着物がカラフルに感じられるのが凄い。
見えない筈の色彩が画面で躍動しているのだ。
監督・マキノ正博は日本映画の”祖”と呼ばれた人。
決して芸術映画ではないが
誰もやっていない娯楽映画を作り続け
若い時、自ら俳優だった経験を生かし細かい演技指導で
東映ヤクザ映画の高倉健、藤純子を育てあげた。
彼の著書「マキノ雅弘自伝・映画渡世 天の巻・地の巻」で
”映画はスジ(脚本)、ヌケ(映像)ドウサ(演技)”と
云い切った彼の映画論は今でも的(マト)を得ている名言だ。
 此のダイナミックなフィナーレを観ずして日本映画は語れない。

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