2014年6月9日月曜日

加藤泰 作品集
此の監督の作品の魅力は一言では語り尽くせない。
福田善之の戯曲の「真田風雲録」は
当時の学生運動を大阪冬の陣に置き換えたミュージカル映画
東映時代劇のヌーベル・ヴァーグと呼ばれた。
中村錦之助、大川橋蔵のプログラム・ピクチャーを
長い間撮っていた信頼関係から
彼等の演技派への脱皮となる異色作を次々と発表した。
そして、「三代目襲名」は老けた二枚目俳優、鶴田浩二が
東映ヤクザ映画路線のメイン・ストリームを歩ける作品と成った。
あの小津安二郎より更に低いローアングルのカメラ・ワーク
日活の鈴木清順より大胆でスタイリッシュな映像感覚は
長谷川伸の股旅もの「瞼の母」「沓掛時次郎」や
藤純子の「緋牡丹博徒」シリーズで
私も含め、当時の映画ファンを夢中にさせた。
とにかくオーソドックスな文芸物から
アヴァンギャルドなミステリー作品まで、枯れる事を知らず
最期までエネルギッシュに映画に取り組んだ姿勢は
日本の監督では稀だろう。

次の“Stardust Memories★星屑たちの記憶"で
彼の作品でのみ輝いていた俳優
沢淑子(任田順好)と汐路章を紹介しよう。

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