金子信雄(1923~1995)
此の役者は晩年、料理研究家としてTV料理番組を持っていた。
アシスタントに東ちづるを従えて
なにやら料理番組なのに好色な雰囲気を漂わせていた。
それもそのはず、彼が映画で演じてた役はスケ平なヤクザの親分
特に「仁義なき戦い」シリーズでは実在モデルの
組長・山守義雄役をレギュラーで演じていた。
それは主演の菅原文太や松方弘樹を操る
影の主役とも云える存在で、此の映画の面白さは
彼が負っていたと云っても云い過ぎでは無いだろう。
私の記憶にあるのは、彼が愛人の爪を切りながら
嘘泣きの涙声で電話をして、言い訳をする場面。
子分を操るのに、義理と人情の裏表を
破廉恥に使い分ける彼の演技力には笑い転げたものだ。
あの三島由紀夫をしてヤクザ映画の傑作
と云わしめた山下耕作監督の「総長賭博」では
主役の鶴田浩二に対して、散々非道な事をしていながら
我慢の限界を超えた鶴田が自分に切り掛かって来たのに
「お前の任侠道はどうなっているんだ?」と罵る
その厚かましさは日本映画史上に残る名場面となった。
破廉恥に使い分ける彼の演技力には笑い転げたものだ。
あの三島由紀夫をしてヤクザ映画の傑作
と云わしめた山下耕作監督の「総長賭博」では
主役の鶴田浩二に対して、散々非道な事をしていながら
我慢の限界を超えた鶴田が自分に切り掛かって来たのに
「お前の任侠道はどうなっているんだ?」と罵る
その厚かましさは日本映画史上に残る名場面となった。
しかし、それ以前に
彼のキャリアは日本映画の名作と云われる作品に
数多く足跡を残しているのだ。
「生きる」「真空地帯」「山の音」「浮雲」と
脇役ながら、強い存在感を示し
悪役としては日活アクション映画で
彼のキャリアは日本映画の名作と云われる作品に
数多く足跡を残しているのだ。
「生きる」「真空地帯」「山の音」「浮雲」と
脇役ながら、強い存在感を示し
悪役としては日活アクション映画で
石原裕次郎、小林旭を、とことん虐めるボス役
東映ヤクザ映画では「仁義なき・・」以前から
卑怯な役を演じ続け,終いには
「忠臣蔵」の敵役・吉良上野介まで演じる貫禄と成った。
此のサイトでも進藤英太郎、吉田義夫、山形勲と
悪役俳優を沢山載せて来たが
人間臭さが出て居るのは彼がピカイチだ。
それは彼が、どんな役でも彼なりにカリカチュア
膨らませていたという事だろう。
膨らませていたという事だろう。
悪役が強いほど映画が面白く成るとは良く云われるが
悪役が面白いほど映画は完成度が高く成るのだ。
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