2013年12月17日火曜日

鬼平犯科帳シリーズ 正月四日の客
そんな訳で先日載せた柄本明と松平健のやつではなく
山田五十鈴の出た”正月四日の客”が在ると聞いて
探したらTSUTAYAに在った。
早速、観てみたが此れは此れで中々良かった。
やはり話のネタとして1時間が程よく、無駄の無い話の運び。
鬼平外伝では蕎麦屋の女房おこうが亡くなっていたが
コチラでは主人が死んで、女房おこう役の山田五十鈴が
その跡を継いで商いをしている設定。
原作を読んでいないから、どちらが本当か判らないが
こちらでは鬼平の中村吉右衛門が登場し
山田五十鈴と差しで渡り合う。
おそらく三味線と唄の得意な山田
(東宝の舞台「たぬき」での、それは有名)に
当てて脚本も変更されたと思うが
山田の”追分節”の弾き語り
♪小諸出てみりゃ〜浅間の山に〜今朝も煙が〜
は何とも風情が有り
窓から大川越しに浅草寺の屋根が見える場面は
見慣れた花川戸の風景だけに懐かしくなってしまった。
此の時、山田は既に高齢(76)だったと思うが
芸の力で年増女の色気を漂わせて流石。
(女優として只一人の文化勲章受章者)
亀の小五郎役の河原崎長一郎も盗賊にしては
善人過ぎるキャラクターだが、時折見せる険しい表情に
リアリティが有った。
”外伝”と”犯科帳”どちらが良いかと問われれば
甲乙付け難い。
外伝は柄本明の渋い芝居が、たっぷり観られるが
如何にせんテンポが遅くて話が諄(くど)い。
一方、犯科帳は山田五十鈴の三味線と唄に
江戸の風情を味わえるが
蕎麦屋の女房にしては化粧が濃過ぎ。
しかし、ラストの決め台詞(セリフ)
捕まった亀の小五郎の「人間には二つの顔が有ります」に
おこうが「誰にだって生きてりゃ顔の二つくらい出来ますよ」
と答える芝居は誰もが出来るわけじゃない。
そして鬼平は縄で縛られ、橋を渡る小五郎を見て
おこうに牢屋まで”真田そば”を運んでくれと頼む。
盗賊と知らなかったとはいえ同じ故郷の生まれ
”真田そば”の想い出で一度は心の通った相手を
裏切った、おこうの気持ちを読む様に鬼平は
「食いもんと人の心は繋がっているんだなあ」と。
それに頷く、おこうの顔が切ない。
”外伝”の牢屋を見せるより
”犯科帳”の此の蕎麦屋の店前でのエンディングの方が
人情話として切りが良い。
おそらく向島から見た言問橋あたり
橋のたもとの風景が”犯科帳”の方がスケール感が有り美しい。
”広重”の版画の様な雪の降らせ方は
まるで江戸時代にタイムスリップしたようだ。
監督・小野田嘉幹を始めとするスタッフの
時代考証の見事さ、セットの作り方、ロケの選び方は完璧。
今年の大晦日、私の年越し蕎麦は”真田そば”と決めた!。

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