続・男と女 @-55
<追記>
TSUTAYAの発掘良品の中にジェームス・カーン主演の
「ザ・クラッカー真夜中のアウトロー」(1981)を見つけ早速観てみた。
監督は「ラスト・モヒカン」のマイケル・マン。
彼がTVシリーズ「マイアミ・バイス」で名を挙げた後、
長編劇映画の第2作目の作品だ。
自分でシナリオも書く彼は大胆な映像感覚に緻密な構成で
エモーションを盛り上げ、息も付かせぬテンポは
先頃亡くなったトニー・スコットより、ずっと先んじていた。
実際にハリウッドやロンドンの映画学校で、今
彼の作品が撮影や編集の教材として使われているらしい。
その演出に引き出されてジェームス・カーンが
素晴らしい演技をしている。
演じるのは長いムショ帰りの車のディラー
それは表向き、実は宝石専門の凄腕の金庫破り
やっと愛を見つけた女と、家庭を持ちたいばかりに引き受けた
最期の大仕事は街の黒幕ギャングの罠だった・・・。
リー・マーヴィンの「ポイント・ブランク」ばりに
自分の分け前は取り返す、仲間を殺された恨みは
はらしたい、と往年の東映ヤクザ映画の様な
”おとし前”の付け方に男気があり、観客はカタルシスを得られる。
此の凄い作品をジェームス・カーンがルルーシュの超大作
「愛と哀しみのボレロ」の合間に撮っていたとは、とても思えない。
「ゴッド・ファーザー」の短気な長男役で
ブレークした彼はイタリア系と思っていたが
実は東欧ユダヤ系移民の子、その確かな演技力には定評が有る。
「シンデレラ・リバティ」(1974)以来、私はファンだ。
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